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No.250.R03.09/16
足回り

924はフロントストラットとステアリングギヤボックスを初代ゴルフから、Aアームをシロッコから流用。
リアのトーションバー、セミ・トレーリングアームをVWビートルから、流用。
ブレーキをVW−K70から流用。
924ターボS、944ターボ、968CSでそれぞれシャシーは進化し部品は別物になって行きました。


 シリーズ共通スペック

  • 最初の924から最後の968まで基本的に同じシャシースペックでした。
    レイアウト:トランスアクスル(FR)
    ホイールベース:2400mm
    Fサスペンション:マクファーソンストラット+コイル
    Rサスペンション:セミトレーディングアーム+トーションバー

 リコール

  • 944系は緩衝アーム/ロッドのリコールが出ています。対策済みスッテカーの無い車はリコール出しましょう。
  • 「リコール 外-338-0」1987年12月〜1988年06月の944,944S,944turbo,944turbo-S
    内容:ロア・アームに一部強度不足の物がある。部品刻印のメーカ記号「SM」は(記号「MBF])と交換。

 スポーツオプション

  • M030・・・スポーツシャシーとかスポーツパッケージとかスポーツランニングギアと呼ばれているのに含まれる。
    ・・・・・サス、ショック、スタビ、ブッシュ、モデルによってはブレーキがセットになってるオプション、ポルシェ純正チューン。
  • M031・・・スポーツショックアブサーバー
  • M474・・・スポーツショックアブソーバー(インナーキット交換式?)
  • M758・・・'88-944turbo-Sの事
  • SP01・・・'91-944S2用クラブスポーツパッケージ
  • P31・・・'94-968用スペシャルシャシー(P30が'93-968のM030かもしれない)

 968のM030

  • 968の場合、M030で組み合わされる部品セットが、ベースモデルによって細かく異なります。
  • 968クーペMT、968クーペAT、968CSでセット内容が異なります。カブリオレには設定がありません。
  • フロントスプリングは、ノーマルクーペ、素968CS、クーペ&CSのM030、カブリオレで異なります。
  • 968クーペのノーマルは、944S2のM031とほぼ同じ足回りです。
  • 素968CS(非030)は、ノーマルクーペとほぼ同じですが、フロントスプリングは専用で車高が低くなります。
  • M030は、クーペMTもCSも足回り&ブレーキは同じですが、CSはLSDもセットです。クーペはM220オプション。
  • クーペATのM030はリアスタビだけが違います。前期951と同じ18mmです。MTは19mm3穴調整式です。
  • クーペの'93年モデルはカタログではM030ですが、オプションコードではP30です。'94年モデルはP31で、ホイールが変わります。

 944Turbo-Cup

  • 1987年仕様は前年のカップカーよりパワーアップし250HPになりました。足回りは・・
  • 前後車高調整式ビルシュタインショック、強化サス、取り付け変更された大型30mmフロントスタビ、リアは21mm、
  • ABS付き大型フロントブレーキ、小減速比ステアリングレシオ、8J/9Jマグホイール、

 968Turbo-S/RS

  • 968CSに968Turbo-RS(ドイツのレース用)の足回りを入れた方の話です。
  • 968Turbo-RS用のショックは黄色いビルシュタインでした。(CG誌'90-05では緑色のショックに赤いサス)
  • フロントはダブルスプリングでした。
  • リアショックは上下の固定ボルトの部分がピロボールでした。
  • スタビライザーはフロントはCSと同じ30mm。
  • Turbo-Sはリアが3穴調整式の21.4mm、スタビマウントが 477.411.313.D 品番。重量3.5kg
  • スタビは944Turbo-CAPcar と同じ太さみたいです。
  • *純正レース用部品は耐久性が考慮されていないので凸凹な公道使用には向いていない部品もあります。

 '91-944S2

  • ワークショップマニュアルを読むと、M030とは逆に、足回りのゴムブッシュを広範囲にソフトにしたモデルがあるあるみたいです。品番不明。

 色/アンダーコート

  • 昔の日本の車検制度では下回りを洗浄し、シャシーブラックなどで黒く塗る風習がありました。
    そう、だから黄色いショックやアルミのアームなのにそれらが黒い車になっている場合があります。
    新車時はバルボリン・テクチル122(黄色がかったクリアー)がスプレーされています(スチームで落ちる)
  • それと昔は、ナットなどにペンキでチェック済みマーキングがされている事もあります。
  • Koniイエローに似せるには、Plasti-Kote T-29(スクールバス・イエロー)を塗る手がアメリカでは使われています。


 へたってきたら&交換時期は

  • 924系マシンはリアのヘタリ(抜け)を先に感じるでしょう。リアショックの容量不足か。
    (911だとエンジンの重さでリアトーションバーの方がヘタルらしいが924系はショックの方が可能性大)
    硬めのサスやインチアップしていると乗り味が硬くてヘタっていないと勘違いしがちです。
  • リアバンパーを下に押してみて簡単に上下に揺れるようだとヘタってる可能性有り。
    ショックは動く速度に関係しますしオイルとガスで動き違いますが、動かせるようなのは新品でも全然スポーツカーらしさが有りません。
    ショックテスターでグラフに出す手もあるようです。

  • 交換時期は、ショックからオイル漏れしたら、抜けたら、交換なわけですが、判断が付かない場合は、
    5万キロ、もしくは10年のどちらか早い方で交換すればよいかと思います。
    走行条件によって劣化具合は当然異なりますが、判断できないなら目安になります(ショック単体を何本かテストして参考にしました)。

  • 理想的コンディションのオリジナルの味も大事ですが、交換ついでにM030(M031)オプションを入れるのも手です。
    スポーツタイプのショックに交換した場合、スタビライザーも太いの(M030)にする手もあります(ブッシュも交換)。
    M030の場合は、へたってきても復元機能で延命する事が出来ます。

  • 本当は全部交換がお勧めですが、第1弾として、リアショックだけの交換でも結構体感できます。
  • ちなみにリアだけ交換した人はバランスが崩れてしまい、すぐにフロントも交換しますけど。
  • 15年前ディーラーでリアショック脱着したときの工賃は約8千円でした。
  • リアショックだけの交換ならアライメントも取り直さないで済みます。

  • フロントロアアームのガタやヘタリもハンドリングを悪くします。
    ボールジョイント部がガタガタになるからです。ブッシュも切れたりへたったりします。
    944S2,951のM030では、フロントロアアームのゴムブッシュも硬い物が使われ、アームに緑の印が付きます。
    ロアアームの後方側ブッシュは968用のがゴム体積が少ないので多少硬くなると思われます。

足回り部品表

  • 普通の944S2に'89-944Turboの車高調付きKONIショック&サス(M030)はボルトオンで交換できました。
  • ただし、それはショック&サス&アッパーマウントをセットにしてではないと駄目です。
  • スプリングの径が異なるので、ショックの皿、アッパーマウントの受け部品との径が合わないのです。
  • 968は951とブレーキへの導風板が異なります。951はショックのシェルケースに、968はAアームにでです(詳細はブレーキの項)。

  • 968は、スポーツオプションではないノーマル部品が、944S2のM031オプションと同じです。
    944S2に、968のフロントショック、コイルスプリング、リアトーションバーを移植するとM031になるわけです(スタビは元々同じ)。
  • 素968CS(CSだけどM030オプション無し)の場合、普通の968と同じショックに専用スプリングの組み合わせで車高が20mm低くなります。
  • 素968CSのノーマル足を944S2に移植するとM031ショックで純正車高短になると思われます。

  • 964(911Carrera2/4)のフロントショックには調整幅の小さい、小さな車高調が付いています(リアがへたって下がるので調整機構がある。ナロー等はフロントアーム部に車高調整ボルトがある)。
    944/968のフロントショックのシェルケースのサイズは911(964)とほとんど同じですが、ナックル取り付けボルトピッチが異なります。
    964は前期と後期でもショックが違うらしい。
    似てるけど、リアエンジン車のフロント用なのでFR車には硬さやセッティングが異なると思われます。
    社外品やM030の車高調付きが入手できない時に改造用のベースにはなるかも? でも大変そうです。
  • 後付の車高調の部品が何処かしらから出ていましたが、ショックの皿を切り落としたりとこれも大変そうです。


 KONIショックアブソーバーの調整

  • M030の一部のKONIショックはヘタってもまた締め直すことで硬くできます。
  • フロントはM758や968のM030の場合ボンネットを開けてつまみを回します。プライヤーなどでも回せます。
    工具の画像にあるKONIのM030を調節するノブには左回転で「FIRM:硬くする」とあります。
  • 非純正のKONIにはストラットの真下にも調整つまみが付いているのがあります。

  • リアはショックを一旦外して作業します。(968CSはスプリングコンプレッサーでヘルパーサスの脱着が必要です)
    リアの作業手順は下記の通りです。

  • 左右の微調整は取り外して、ショックを縮めてから放し、戻って伸びてくる速度を両方同じに調整します。
    KONIのリアは伸び側しか調整できないからです。
    押し縮める際に左右で差が(片方のへたりが大きい)ある事も。酷い時はオーバーホールしか。


 KONIリアショックの作業手順

  • バリアブルのポルシェ純正は黄色い色です。M030
    赤い色で有名なコニで911は赤ですが純正・社外品でも924系は黄色。ガス式とかで区別があります。

  • リアショックは別体なのでスプリングコンプレサー要らずで作業できます。
  • リアショックは車をリフトアップし、上下2本のボルトを外すだけですが、
    ホイールを外しても狭く、特に上側は工具を動かすスペースが辛いです。
    インパクトや、スピナーハンドルとジャッキの力を使わないと緩まないくらい硬い場合があります。
  • リアショック取り付けの工具サイズと締め付けトルクは、
  • 上側(to-body)は、ボルトとナットで工具は19mm、61Nm
  • 下側(to-aluminum trailing arm:944B,951以降)は22mmで、123Nm
  • 下側(to-steel trailing arm:924,944A)は、61Nmで、上記車種よりボルトが細く互換性ありません。
  • ガイデイングアームと下側のボルトの位置調整用にパンタジャッキもあると便利です。

  1. ダストキャップ上部の小さな2つの穴に棒を突っ込み、中にあるラバーバッファを押し下げ取り出します。
    (年季が入ってる場合ラバーバッファなどが風化してボロボロの時もあります)
  2. ピストンロッドにプラスチックのカラーが入ってる場合はこれも取り外します。
  3. そして、ゆっくりシャフトを押し下げると調整機構のカムが凹みにかみ合ってカクンと1cm下がります。
  4. そのまま軽く押しつけながらシャフトを回すことにより堅さの調整が出来ます。
  5. 右(時計回り)に回すと堅くなります。左にしか回らない場合、それは過去に調整済みでこれ以上堅くできません。
  6. 1cm上げると調整機構が解除されます。
  7. 元のように戻してダストキャップを押し下げ取り付けます。


    951品番のKONIの場合ですが、2回転弱(2回転までは回らない)調整幅がありました。最弱だと早く伸びて、最強だと遅く伸びました。

  KONI(除くRACING)の減衰力調整は伸び側のみの強化です。縮み側はスプリングで行う思想です。


 オーバーホール

  • フロントショックアブソーバーは純正の場合ストラットケース一体式がほとんど。
  • M474スポーツショックはストラットの中のショック(インナーキット)だけ買い換えが可能。
    だが、品切れ欠品が多い。
  • インナーキットだけ社外のKONI等に買い換えが可能なのも中にはあります。

  • CS等のM030は車高調付きフロントストラットなので、純正で交換すると超高いです!
    そこで安く何とかするには、オーバーホールでしょう!

  • ビルシュタインはオーバーホール可能です。
    特に944S2CSには今や絶版になったビルシュタインのショックが入っている場合があります。貴重なのでOHで使いましょう。
  • オーバーホールは、上部の蓋がねじ式に外れるタイプが可能で、溶接してある非分解式は出来ないようです。
    話によると、ショップで脱着又は自分で代理店に送ってOHするそうです。
  • ビルシュタイン(阿部商会)又はエナペタルでのOHは1万/1本、ショックのセッティングは2万/1本くらい。
    この時好みの堅さにセッティングも出来ます。
  • ケースの色は緑色が基本ですが、944用社外タイプは黄色が多い。
    −−−−−エナペタル

  • KONI(調整式)はエフ・イーティー(旧:極東)でオーバーホール受け付けていました。
    2010年、M030のようなポルシェ品番のは受け付けるのをやめたようです。体制が変わったのかな?
    オーバーホールできないと辛いですね。アフターマーケットのKONIは非030の柔らかいフロントスプリングと組み合わせるタイプだし、やや細いし…。
    新品M030は2000年頃の価格で30万円でしたから今はもっと高いでしょう。中古車が1台買えそう。

  • 受け付けていた頃の手順。
    個人からは直接受けていないので取り扱いショップに外して持ち込んで頼みます。
  • 社外品としての後付商品ではなく、M030のような純正品の場合、ポルシェが減衰力データを出していないので現品のままO/Hになるようです。
    要するに、M030純正品の場合、現品の測定をして、Oリングやオイル交換をする感じです。合うOリングが無い可能性もあります。
    オプション料金で減衰力の設定も変えられるようです。データがないなら自分で指定してみる?
    −−−−−FET
  • 基本O/H出して14,700円/1本。3週間かかりました。(2004年税込み)
    スプリングが付いた状態で出しても平気でした。戻ってきた時、スプリングは外された状態でした。
    バンプラバー(ラバーストップ)はボロボロでもそのままでした。これは各自ポルシェ純正?を取り寄せるみたいです。
  • 944S2等用バンプラバー 951.343.527.00 は、2,888円/1個(2004年税込み)、924S用は1,733円
    蛇腹ブーツは高い上にドイツオーダーでした。

  • KONIのチューニングをする大阪府のレビンカーズでS2用M030を受け付けてくれたそうです。

  • フロントをばらしたらアライメント調整も必要ですね。
  • アッパーマウントもついでに(別項で紹介)
  • 社外品(後付アフターマーケット品)のKONIの場合、リアショックはそんなに高価ではないので新品交換の方が良いかも。

  • 純正ストラット(ショック)流用でシェルケースの中のインナーを交換する改造がありますが、容量減少と放熱悪化でサーキットでは持たないそうです。

 リアショックは

  • リアショックの場合、上下の取り付け部がゴムブッシュになっているのでここもへたっているわけですよね。
    そう考えると、リアショックの場合はケース自体駄目になるのでオーバーホールより新品に買い換えが得かも。
  • 上側のブッシュをピロボールに改造した方が居ます。良いらしい。


 サス

  • 924系はフロントがコイルスプリングでリアがトーションバーです。
    968CSの内、M030(スポーツパッケージ付き)の場合は、リアがトーションバー+ヘルパーサスの仕様になります。

 フロントスプリング

  • コイルスプリングには径が何タイプかあるため、コイルの径に合ったショック(皿)とアッパーマウントの組み合わせになります。
  • 素944S2/951と、M030車ではコイル径が異なるので、異なるコイルとショックの組み合わせに互換性はありません。
    M030ショックの純正車高調はKONIで、サスは車高調なので直巻きタイプです。
    純正車高調M030での車高調整は新車時よりもあまり落せません。上げる方にはネジに余裕がありますが。
    951や968のM030の車高調整のネジ部分はショックと溶接されていないので外れます。
  • ショック+コイル+アッパーマウントのセット状態でなら、S2/968とターボ、又はM030とでも交換可能です。

 マーキングカラーでスプリングレート(硬さ)がわかる

  • コイルスプリングのマーキングの色の意味(944/924S)
    Spring rate 21.8N/mm : (wire-12.0mm) : blue springs
    Spring rate 24.1N/mm : (wire-12.3mm) : red springs
    Spring rate 28.0N/mm : (wire-11.7mm,partially-12.2mm) : white-blue springs
Kgにする換算式「1kg/mm≒56 lbs/in」「1kg/mm≒9.8 N/mm」

    例えばコイルスプリング 21.8N/mm が換算して 2.2kg/mm です。
    28.0N/mm でも 2.9kg/mm 程度と、国産車用車外サスに比べて軟らかいです。
    これがポルシェの味なんでしょう。ボディーとショックアブソーバーで硬さを感じるのでしょう。そうなると、ヘタったショックアブソーバーではお話しになりませんね。

  • 一例コイルサス 944.343.531.00 品番の詳細
  • Length removed 約329mm , Spring force F at Length 220mm , Color dot
    約329mm , 2850-2950N , 1*white 1*blue
    約329mm , 2950-3050N , 2*white 1*blue

  • 968の場合、コイルはマーキングの色が違うのにスプリングレートはどれも28.0N/mm(約2.9kg/mm)です。
    968クーペのスプリング(マーキングはベージュ、944S2のM031と同じ)、フロントスタビ径は26mm。
    968Kカブリオレのスプリング(マーキングはグレー、951の'90年式と同じ)、フロントスタビ径は26mm。
    素968CSのスプリング(普通の968のショックに付く純製車高短、2cm程度下がる、マーキングは3青)、フロントスタビ径は26mm。
    968CSのM030スプリング(径が異なる、マーキングは白と黄、944S2のM030と同じ)、フロントスタビ径は30mm。

 リアトーションバー

  • リアのトーションバー(ねじり棒のバネ)はケースに入っていて横置きです。
  • リアの車高調整は、トーションバーを抜いてスプラインをずらす必要があり、面倒になります。
  • 交換にはマフラーやドラシャを外して外してリア周りを降ろす大変な作業になります。車高調整の項も参考に。
    基本的に太さで硬さが決まります。一番太いのは968や後期ターボの25.5mmです。全長は約675mmです。ビートルと同じ? 

  • トーションバーには搭載スペース的利点がありますが、限界付近での挙動に問題が出ます。
    捻りが限界まで加わると、スプリングとは違った反発を受けます。
    924/924Sでは特にリアがインリフトして3輪走行になってしまい、リアの接地が極度に悪化します。
    リアをコイルオーバーに改造するマシンがある理由にはこの悪い特性への対応と、セッティングのし易さの為です。

  • スプリングレートは自分で測定できます。
  • サスに重り(Kg)を乗せて縮んだ長さ(mm)を計って割れば良いんです。
荷重÷縮長=スプリングレート
  • 968CSのリアにはトーションバーの他、ショックにコイルサス(ヘルパーサス)も付きます。
    トーションバーの事実上の太さと達成したい合成スプリングレートから、
コイルオーバースプリングの強さを求める公式
  • もあります。
  • 後から968CSのヘルパーサス付きリアショックに交換すると車高が上がってしまいます。リアを降ろしトーションバー抜き差し調整が必要になります。

  • 海外の通販ではリア用コイルオーバーキット(rear Coil-Over kit)も販売されています。
  • リアをコイルオーバーに改造する場合、コイル側をメインにして様々な調整をすることでしょう。トーションバーは細い(弱い)のにしておく方法もあります。
  • トーションバーを抜いてコイルオーバーにする猛者もいますが、改造が必要になります。

  • 足回りの改造では、サスのスプリングレート、巻き数、プリロード、自由長、レバー比(ストラットは1.0)、ショックの伸び側/縮み側の減衰力、マウントの硬さ、タイヤ等、色々考えることが多いですね。
  • 車検証の軸重見ればわかりますが(ホイールとかバネ下除きショックの反発加える)フロントサス1本に架かる加重も計算できます。そこが常用荷重点。
  • 足回りのセッティングはレース屋に頼むのが高いけど確実なはず。他のサイトも参考に研究して下さい。


 スタビライザー

  • フロントスタビは、20mm,21.5mmが中実、23*3.5mm,25.5*4mmがパイプスタビです。26.8や30もそうでしょう。
    フロントスタビはAアームが鉄製用のグループとアルミ製用のグループがあります。
    それぞれのグループの中で互換性があります(931,937 除く)。太さを変えたら吊っているステーのブッシュも交換します。
    リアスタビはシリーズで全車互換性があると思います。'88年式以降は全車標準です。

  • 944S、951共に'89年式で944S2、後期ターボにチェンジすると共にスタビ径が変わります。
    フロントが25.5mmから26.8mmに太くなり、リアスタビが18mmから細い16mmに変更されます。
  • 968CSのリア(M030)は19mmで3穴調整式です。924CSは20mm、968ターボSは21mmです。

  • 924系は思ったよりロールが大きいです。
  • ロールを抑えるのに通常サスの強化をしますが、乗り心地重視ならスタビ強化の方がマイナス面が少ないでしょう。
    (バランスを考えるとパッケージとして全てM030にすれば良いのでしょうがかなり高価になります)
  • 太さの違うスタビに交換した場合の強化の割合を計算する(支点からの距離が同じ場合)は、
(新しい直径÷古い直径)の4乗
  • 25.5mmを26.8mmにした場合、26.8÷25.5=1.05 1.05を4回掛けて1.22ですから22%の強化です。
    16mmを19mmにした場合2.00ですから2倍です!

 リアスタビライザーが無い車種

  • 1987年モデルまでは951以外944Sでさえスポーツショックとリアスタビはオプションでした。
  • 1988年モデルから前後共標準装着になっています。部品取り車探しには'88以降からが確実でしょう。

  • スタビが無い車には、スタビを取り付ける部分の部品が異なるため交換も必要です。
    スタビ付き用エキセントリックボルト、シャックル、サドル、ブッシュ、ボルトが必要です。
  • 特に、ガイディングアームと共締めでスタビのシャックルが付くエキセントリックボルト(Camber Eccentric)の交換がミソです。
    エキセントリックボルトを交換してしまうと当然キャンバー角が狂ってしまいます。
    そこで元の値をメモするためにシャシーブラックなどでボルト周りを黒くスプレーし、ボルトの位置をマーキングします。
  • サドルの取り付けでは片側の固定ボルトを少し締めた状態でゴムブッシュを押し込みながらもう片側のボルトを入れて増し締めです。

  • 外国の通販でピロボール式リンクが売っていました、どうせ買うのなら純正シャックルの代わりにこれを使って強化!


 フロント・ロアアーム/ブッシュ

  • フロントロアアーム(Aアーム)のボールジョイントは長年乗ると樹脂が砕けてガタが出てハンドリングに影響します。

  • ステアリングをフルに切った状態でバックさせた時、ガックンとか言うのはボールジョイントにガタがある可能性が高いです。
  • 酷くなるとガタガタになって路面に取られたり片方に寄って行ったり、バタバタな感じになります。

  • 鉄製のフロントロアアーム(924/944A/924S)は分解できるのでボールジョイントやゴムブッシュのみの交換ができます。

  • 944B/951以降のアルミ製はアームAssyごとの交換になり金額が大きくなります!
    その為、アメリカ通販にリビルト品が存在するわけです。
    通販でリビルドの社外キット(ボールジョイント&ブーツ)も販売されています。
  • リビルトキットのも押さえ部分は樹脂ですからサーキット派はココも金属になった強化品でやるのも手かも。
    ガタがあるまま乗り続けるとボールジョイントがアルミ製アーム本体に当たるようになり、リビルトが出来なくなります。新型のはリビルト出来ない構造らしい。

  • アルミキャストのアームAssyは'86年式、944S2/951中期、M030である944S2CS/951後期で品番が異なります。
  • キャストの部品自体は同じ物で品番も同じに打ってありますが、支持軸の前側のゴムが違い?丸い金属プレートの品番が異なります。M030は末尾が.00ではなく.31です。裏に緑色のマークなのがM030かな?
  • 968のアームはブレーキへのエアダクト(板)が取り付けられる穴の空いた出っ張りがあります。
  • 支持軸の前側は圧入式です。そんなに痛まないようですが単品で部品は出ません。アメリカの社外品に強化品あります。

  • 支持軸後側のブッシュだけは単品で部品が出るので交換可能です。
    支持軸の後側は亀裂が入ったりヘタって中心がずれたりしてきます。ここはキャスター調整の偏心ボルトが入ります。
  • M030 のブッシュはノーマルグレード用の3倍くらい高い値段です。末尾が.30又は.31です。
  • 968用?なのか現行品はゴムが蒲鉾型だったのから丸い円柱に入ったのになりました。

  • 一部、ノーマルと M030 で互換性があるブッシュやマウントもあり、純正強化や逆にコストダウン交換も可能?

  • アーム端はボールジョイントだけでなく、ダストブーツさえ単品部品がません。
    ブーツだけ破けた場合は代用品で修理します。純正よりブーツの高さが高いけど代用改造できる物があります。
    大野ゴム工業:品番 DC-1315(日産用):価格540円(2003年時目安)個人販売しないので部品商から購入。
    944B以降のアルミロアアームのアーム端用。
    これを使うコツは、純正のブーツクランプ形状が違うので、昔の国産車のように取り付けは針金等で縛って固定する事。
    −−−−−DC-1315 画像

    他にももっとフィットするブーツが探せばあるのかも?「上の穴径、下の穴径、高さ」で探します。

  • アライメント調整が必要な場合もあるので、この辺はショック交換も含め一気にやった方が別々より安くなるでしょう。

  • ガタのあるロアアーム(Aアーム)を交換やリビルトすると、ショックも新品にしたんじゃないかと言うくらい素晴らしいステアリングフィールになりますよ。

 アッパーマウント強化

  • アッパーマウントのヘタリはタコ踊りに繋がります?
  • S2/951のフロントサスアッパーマウントには素の柔いのと違って固いM030もありますがサス/ショックとの物理的組み合わせになるので互換性無し。
    素S2などのアッパーマウントが、968と同じウエイト?付きになりました。968と統合?(2015年)
  • アッパーマウントには社外品でピロでキャンバー調整可能な物もあります。弊害もあります。

  • リアの場合は、リアショックの上下固定部に「ゴムブッシュ+カラー」が使われていますが、これをピロボールに改造します。
  • 上部固定部のみをピロボールにすると良いようです。ロッドごと作り直せば完璧かも。下部はゴムのまま。
  • 968ターボRSはピロボールだったのですから、意味があるはず。

 

  • 924系のフロントのナックルアームは真っ直ぐです。
    曲げがないのでステアリングを切ると左右輪の角度並行のまま曲がるのかも?アッカーマン原理に反する造りです。

  • リアのガイデイングアームは951以降はアルミ製になります。944B/951/944S/924S/944S2/968
    結局、968CSを含め最後まで同じ形式でした。
    924系のリアは古典的なセミトレなので横加重でトーが変化してしまいがちなのが弱点です。

  • トーションバーケースのマウントとかの交換も効くようですがかなり大変な事に。

  • 944ターボカップカーなどはリアショック上下取り付け部がピロボールです。下側だけでも改造すると違いがあるらしい。

  • ちなみに、928のリアはヴァイザッハアクスルと言うマルチリンクです。4輪ともコイルサスです。ちょっと羨ましい。

 タイロッド(タイロッドエンド)

  • タイロッドは、パワステの項をご覧下さい。

  • ハブベアリングはブレーキの項をご覧下さい。


 アライメント

  • フロントショック交換した場合アライメントも取り直した方が良いでしょう。
  • エンジンマウント交換でもAアームを外す方法の工場の場合取り直した方が良いです。
  • アライメントを調整するのならば新品タイヤに履き替えた時がお勧めです。
  • 924系のリアは後述する理由により経験の無い工場ではアライメント調整不可能です。
  • アライメント調整はポルシェの規定値に合わす以外にチューニング/セッティングとして調整する場合もあります。
    外車にはトーインが日本の車検のサイドスリップで落ちるので修正してある車種もるそうですが924系は大丈夫でしょう?
  • 最近は4輪アライメントテスターだけではなく、タイヤを回転させて動的に測定するダイナミックテスターもあります。

 フロントまわり

  • キャスター調整は、ロアアーム(Aアーム)後ろ側の軸で行います。鉄製はアームマウントを動かし、アルミ製は偏心ボルトで調整します。
  • キャンバー調整は、ストラット(ショック)のナックル(ハブキャリア)を固定する2本のうち上側の偏心ボルトで調整します。
    アッパーマウントを通販で売っているキャンバープレート(ピロ・調節)に改造する手もあります。
  • トー調整は、タイロッドで調整します。

 リアまわり

  • 924系はリアがトーションバーでセミトレーリングアームなので経験が無い工場ではアライメント調整でき切れません。
    なんと、キャンバーを動かすとトーも同時に動くので経験がないと何時間かかっても正確に出ません。
    930の場合はトーを調整してからキャンバーの順番らしく、そうすれば924系も早く出来るかな?

  • 924系のリアのスプリングプレート(テンションプレート)には3本のボルトがあります。
  • トーションバー寄りから1本目は固定ボルトです。

  • 2本目が、Eccentric bolt (height adiustment) です。
    この偏心ボルトでの車高調整は微調整レベルです。

  • 3本目が、Camber Eccentric です。
    この偏心ボルトで板状のスプリングプレートをひねっていってトーとキャンバーが決まります。
    この偏心ボルトはガイディングアームと共締めで内側にスタビのリンクも取り付けられます。

  • 一番ホイール寄りにはスロート穴があり、Special Tool 9171 を差し込んでの調節になります。
    このSSTは911のエキセントリックボルトの部品を工具代わりに使って回すことも可能なようです。
    そしてこれがワークショップマニュアルだとトー調整だそうです。


    911/930は4本ありトーアジャスト、キャンバーアジャストが別々のボルトで、924系は普段省かれているようなものです。

  • 画像の内、赤い矢印の後ろ寄りの偏心ボルトが車高調製用です。
    青い矢印の偏心ボルトがキャンバー用です。
    横の穴がSST又は911のエキセンボルトを入れてトー調整するスロート穴。
  • SSTは外側から入れて回すようですが、Camber Eccentricは内側から工具を入れて調整するようです。

924S/944/951//944S/944S2/&968 Wheel Alignment

-19891990968Max. Difference
Left to Right
Front Toe-in
(unpressed)
+10' +-5'+10' +-5'+10' +-5'
Front Camber-20' +-15'0°+-10'0°+-5'10'(-1989)、
20'(1990-)
Front Caster2°30' +30'-15'2°30' +30'-15'3°15' +0'-45'30'
Rear Toe-in per wheel0°+-5'+10' +-10'+10' +-10'10'
Rear Camber-25' +-30'-45' +-20'-45' +-20'30'
(Rear Camber
: full fueltank+spere wheel+tools)
-1°+-20'-1°+-20'
30'

 車高調整とコーナーウエイト

  • 軽量化、ガス式のショックへの交換、ホイールの交換など、車高が変わった場合や下げたい場合の調整方法です。

  • フロントはストラットですから車高調付きのストラットを入れれば好きなバネを入れられます。
  • 純正M030は車高調付きのストラットなのですが高価です。

  • リアのトーションバースプリングにはスプラインが切ってあり、ずらして車高を落とせますが・・・
    924系のリアはケース+アームを全部降ろしてトーションバーを抜いて入れて調整してから取り付けを繰り返すやっかいです。
    (最初期の924と968はボディーサイドからトーションバーを抜けるようです)
    (911/930も穴があるので足回りを降ろさないで出来る)
  • リアの偏心ボルトで車高の微調整が出来ます。

  • 車高調整にはコーナーウエイトゲージを用いる方が本格的です。合計すると車重もわかります。
    さらに正確を期すならば、スタビライザーをフリーにした状態で調整します。
  • 車高調整するのならアライメント調整もセットでしょう。アライメントの項も参考にして下さい。
  • 車体の左右の傾きは大抵タイヤとフェンダーアーチとの隙間で左右差10mm内らしいが、ポルシェのフェンダーは信用できませんよ。
    少し正確には、完全に平らな場所でリアだったらトーションバーケース端の中心高さで計ったりします。
    トーションバーケース端の中心とリアホイール中心との高さの差を左右で計る方法だとさらに誤差が減ります。
  • フロントの車高 rear arm mount below wheel center
    M030/M637 944/944S : 146+-10mm、M030 944S2 : 130+-10mm
  • リアの車高 strut mt.center(torsion ber center)below wh.ctr.(value)
    Standard 924S/944/944S : -3.5 +-10mm
    M030/M031/M637 924S/944/944S/944S2 : -18.5 +- 10mm
    Standard 944S2 : -10.5 +- 10mm

偏心ボルト

 リアの偏心ボルト

  • この図は後方から右リアを見たもので1979 Modelsです。図をクリックすると少し大きくなります。
  • 924系のリアには3本ボルトがあります。(トーの分は穴だけ)
  • 2本目が、Eccentric bolt (height adiustment) です。
    この偏心ボルトでも車高調整が在る程度出来ます。

パワステ

ステアリングホイールは、インテリア になります。


 パワーステアリング

  • 1984年以降のD車はパワステ付きです。ギヤ比も早く変更されています。
    (924S)左ハンドル(3.24)、右ハンドル(3.26)でlock to lock 比も異なります。

  • パワーステアリングのアシストは可変式です。
  • '87年カタログによると、高回転時はアシストがゼロ。センター付近もアシストがゼロになるとあります。
    パワステベルト(パワステポンプ)の回転に反比例でしょうか?
  • '90年取り説によると速度とエンジン回転数感応式です。高速走行時のアシスト量はほぼゼロになるとあります。
    PET6で調べるとLHD車は'88年まで944.347.011.22 で、'89年から.24 に変わっています。ここで速度対応になった?

  • パワステはポンプ自体の故障より、ステアリングギアボックス(ステアリングラック/パワステギヤボックス)からのオイル漏れが多いようです。
    更に多いのは故障じゃないけどタンク付近からの漏れ。ホースの漏れよりタンクキャップのOリングが怪しい。
  • 駐車中の据え切り操作はしない方がよいです。圧が高いので負担がかかります。
  • ステアリングギアボックスはZFのリビルド品を扱う店も存在します。

  • オイルタンク下のホースからの漏れは、おそらくEXの熱による劣化と思われます。
    ホース交換が理想ですが、ディーラーでコーキング塗って止める方法もあります。
    熱による劣化を遅くする為に、ホースに断熱材を巻いたり、遮熱板を付けるのも有効と思われます。
    遮熱板を作るなら、IGコイルも一緒に遮熱してみると良いかも。
  • 968のパワステオイルのタンクは当初透明でしたが、現在の補修部品は黒色の物が出てきます。

  • タンクの外側がカラカラに乾いていない場合、漏れはキャップのOリングです。ペッタンコになってるともう駄目です。
    ホースからの漏れが原因と思われたオイル漏れの多くが実はこのOリングが原因で、タンクやホースを伝ってフレームまで塗らしています。

  • 漏れを甘く見てはいけません、ラックのブッシュやスタビのブッシュに垂れて駄目にしてしまいます。

  • '90 と'93 の取り説では、ATF(Dexron):約0.6L とあります。
  • パワステにはオイル排出用ドレンはありません。
    タンク内のオイルを交換とステアリング切りの繰り返しでもある程度はかわりますけど、
    交換はおそらく、ホースをから外してエンジンをかける(ポンプ動かす)のでは??
    エア抜きはステアリングを左右に切って行うと思います。
  • フロント右側にパワステのオイルクーラーがあります。
    タンク底の外周寄りへはポンプから、中心側にはパワステオイルクーラーからホースが伸びているはずです。

  • 968(特にCS?)ではパワステポンプ下側にある調節ロッド(strut)やエンジンに固定するボルト(ポンプブラケット)が折れるそうです。
    パワステポンプに掛かっているベルトを点検してベルトが傾いていると調節ロッドが折れている可能性があります。
  • 特に968?で、振動による金属疲労なのかパワステオイルクーラーのパイプの根本が破断する個体が出てきています。

 タイロッド(タイロッドエンド)

  • タイロッドは、ステアリングギヤボックス側のジョイント、タイロッドエンド側のジョイント、両方ガタが出ます。
  • ステアリングを切る度にセンターズレするのは、ステアリングラックブッシュの劣化が考えられます。

  • タイロッドのエンドではないパワステギヤボックス側のジョイントは930ターボみたいにボールジョイントです(951以降?)

  • タイロッドエンドのダストブーツは単品で出ません。代用品で修理する事になります。
    ボールジョイントがガタガタになった場合はロッドエンドごと交換すべきですが、ブーツだけの場合の代用品です。
    大野ゴム工業:品番 DC-2102(トヨタハイラックス・日産サニー等)
    924S/'86-944Bの944.347.333.01品番のブーツが上下を大小のリングで押さえてるのに対し、下側だけリングで押さえる形になります。
    高さがほんのわずかに高く、上側にリングが付かないのに完全に密閉する程きつく無いですけど。
    −−−−−DC-2102 画像

ブレーキ/ハブ


 ブレーキ

  • 924は前ソリッドディスク/後ドラムです。
  • VW−K70からの流用と言われています。

  • 924Turbo-S/CarreraGT/924Sは4輪ベンチレーテッドディスクです。ローターは911(ナロー等)と同じ部品です。
  • キャリパーはフローティング式、928からの流用と言われます。944A/B、944Sもほぼ同じです。

  • 944B以降はパッド残量のセンサーがあります。配線に注意。

  • 951/S2/968は4輪ともブレンボ製4ピストンアルミキャリパーです。パッドは964と同じサイズで前後も同じです。
  • M030のブレーキは928S4の巨大なローターとキャリパーがフロントに装備されます。

  • 924系は全車ブレーキサーボ付き(ポルシェ初)です。

  • リアディスク車の駐車ブレーキ(パーキングブレーキ)はインナードラム(ドラムインディスク)になっています。
    リアディスクのハット部分にドラムブレーキ内蔵されています。内側にシューがある。
    作動はパーキングブレーキ(サイドブレーキ)専用のワイヤー式で、油圧シリンダーは無い。専用なのでシューは早々減らないだろう。調整機構もあります。
    駐車(サイド)ブレーキレバーは全車サイドシル側です。アジャスタブルナットやマイクロスイッチがあります。
     レース用にセンタートンネルの助手席側に移植すれば便利な気がするけど誰もしていないようです。
  • ブレーキランプのスイッチはブレーキペダルレバーに押される場所にあります。点灯しない接触不良では一番に疑いましょう。

  • ブレーキペダルは最大20mmの遊びです。

 ABS

  • ABSが標準装備になるのは'89年式以降の951と、'90年式以降の944S2からです。
    オプションだった年式の車は当時40万もしただけあってほとんど未装着です。944Bにも設定はありました。
  • 見分け方としては、ABSリレーの有無と、エンジン隔壁車台番号の下の金属ホースの本数です。
    ABS付きは3本、ABS無しは2本のようです。
  • ABSユニットははじめ音がします。
  • '89-951ではABSは右フェンダー裏側にありました。右前輪の黒い樹脂製ホイールハウスを外せば見えます。
  • 任意保険のABS車割引にも関係するので買い換えの際には注意です。

  • 968は4センサー4チャンネル式ABSです。
  • 944までのモデルは4センサー3チャンネル方式ABSのようです。
    (4輪のセンサーの信号から、前輪左右を独立で、後輪左右を同時に制御する方式)
  • サーキット走行では思いっきりABSを使った方が良いです(3チャンネル方式でも)。

  • LHD車のABSのコンピューター(コントロールユニット)は助手席側足下壁面カーペットの中。
    944に、968と'89年式928のコンピューターが使えます。逆は無理です。

 ブレーキキャリパー/パッド

  • 924/931/944/944S/924Sのブレーキパッド交換手順は結構簡単で解説書きました。
    2本の棒を抜くタイプです。
  • キャリパーはフローティングの1ピストンです。Ate50 では取り付けボルトの間隔は約76mm位でした。

  • ブレーキホースも何年か使用すれば交換です、ついでに社外品のステンメッシュブレーキホースに交換する方もいます。
    昔、ステンメッシュのはカシメからフルードの滲みとかあったけど最近は良くなったかな?
  • リアブレーキパッドはなかなか減らないです。フロントに比べて。

 ターボ&3000cc車(951/944S2/968)ブレーキキャリパー

  • 944TURBO と、3000cc 車(944S2/968)は前後とも、Brembo 異径対向4ポッドアルミブレーキキャリパーです。裏側に文字有り。
  • 当時は911より高性能なブレーキを奢られたわけです。アルミなので熱の伝導性が良く冷めやすい。そして鋳鉄より軽い。
  • 944Turbo/944S2のキャリパーは'89〜'90モデルあたりから外観が変わります。PORSCHE文字が浮き彫りから平面にペイントへ変わっています。

  • '88までの944Turboと944S2のブレーキパッドは前後同じ物です。964とも同じかも。
    外観も同じで、取り付けボルトも同じです。車軸と並行に12mmのボルトが入ります。ボルトの間隔は94mmです。
  • 前後の違いはピストンの太さです。
    フロントは、944Turbo:[36/44]、944S2/968:[36/40]
    リアは両方とも、[28/30]
  • 異径4ポッドなのでキャリパーにも回転方向指示の矢印があります。

  • これらのキャリパーは964後期ともほぼ同じ大きさなので、3.2Carreraのフロント強化用に売り出すことも出来ます。
    911のマスターバックノーマルのままならリアキャリパーの方がピストンが小さいのでちょうどいいかも。
    流用には、キャリパーの取り付け穴を少しスロート加工し、ローターをカバーするダストカバーを少しカット、ブレーキホース交換が必要。

  • '89/'90-944Turbo,944S2CS,968M030 の928S4ブレーキキャリパーは12mmの取り付けボルトが車軸に対し直角に入り(ラジアルマウント)、間隔は約130mmです。
    −−−−−'89-951画像

  • 944Turbo-S/'89-951〜/944S2CS/968M030 の928S4同型の巨大フロントキャリパーはブレーキホースの取り付け方法が異なります。
    キャリパーとショックアブソーバーのステーの間は金属管になっており、ここからブレーキホースが出ているので雄雌が異なります。
    ピストンは、[36/44]で、'88までの944Turboと同じ太さですがパッド面積が大型化しています。964Turbo,993Turboともほぼ同じ。

  • 4ポッドのブレーキパッド交換は外側の二重十字型の針金を上へ跳ね上げて交換です。
  • 4ピストン車はピストンを押し戻すとき板状の物があると便利。1コ押すと他が飛び出る(笑)

 トラブル

  • キャリパーピストンのゴムがへたるとブレーキの戻りが悪くなる場合があります

  • ど鉄キャリパー(フローティング)の場合、あまりにも乗らなさすぎると錆びて固着(片効き)したりフルード漏れしたりすることがあります。

  • ブレンボの異径4ピストンブレーキキャリパーは、変わった理由でブレーキの効きが悪くなる例があります。
    パッドが悪いような感じで止まらなくなり、ピストンも固着していないのですが、パッド交換では直らず、キャリパーオーバーホールで直るそうです。
  • ブレンボキャリパーのオーバーホールキットはブーツとシールとピストンのセットで出てきます。(8千円?/個)
    バイブレーションダンパー、ダンピングプレートはまた別です。

Brake Pad 新品厚:13.0mm、使用限界:2.0mm
品番有効面積924系
944.351.951.0292cm2フロント:931S/924S/944A/944Bフロント:928(78-81)
951.351.939.0886cm2フロント:951(-88)/944S2/968
リア:951/944S2/968
フロント:911TURBO(78-89)/964
リア:964C4/911TURBO(78-94)
993.351.939.01126cm2フロント:951S/951(89-)/944S2CS/968M030 フロント:928S4/993/964TURBO
リア:993TURBO/993RS
Ferrari F355/348 ?
944.352.951.0263cm2リア:931S/924S/944A/944B
965.352.939.0486cm2リア:968M030素968と外観は同じ

 ブレーキローター

  • ヨーロッパ車のブレーキは国産と違ってローターも削れて行きます。削れ具合は残った耳が目安になります。
  • 931/944A/924Sなどはナローモデルの頃の911とほぼ同じ厚みの薄いベンチレーテッドディスクローターです。
  • '87-951/S2/968などは厚くなっています。ローターの穴の中も変更があります。
  • 944Turbo-S/944S2CSのフロントは、928S4と同じ極厚ローターなので左右の別があり、ベンチレーテッドのフィンの回転方向間違いに注意。
  • 951/S2/968などのリアローターは964と同じです。
  • 968CS/968のオプション装備スポーツパッケージ(M030)は純正でドリルドローターです。
    ドリルドは放熱、パッドの汚れ取り、水切りに優れますが、ハードに使うとクラックから割れもあるので心して使う品かも。
    他の車種でもそれぞれ車外品のドリルドローターがアメリカの通販などで手に入ります。

  • 924Sと'86-951のフロントブレーキローターはアダプターがホイール側に装着されているためこれを外す必要があります。
  • リアのローター交換では、ブレーキキャリパーを外す際、ブレーキラインが金属管なので一旦外す場合もあります。
    そうするとブレーキのエア抜き、又はブレーキオイル交換もついでにとなります。

 冷却用導風板(エアデフレクター)

  • 951、944S2はフロントストラットにブレーキローターへのアルミ製冷却用導風板が取り付けられ、ブレーキロターカバープレートに開口部があります。
    951品番フロントストラット(ショック)には取り付け台座があります。944Bなどの改造も可能かも(カバープレートの改造が必要だけど)。
  • 968全車はAアームにも導風板が取り付けられ、ここからストラットの樹脂製ダクトを経由してブレーキを冷却させます。
  • 924カレラGTにもブレーキ冷却用のダクトが付けられています。
    リアブレーキには冷却用の導風板やダクトは存在しません。

Brake rotor wear limit

フロント/リア新品厚使用限界
931S/924S/944A/944B/944S/911SCF:径282.520.518.5
951/944S2/968F:径298.028.026.0
951S/944S2CS/968M030/928S4F:径304.032.30.0
931S/924S/944A/944B/944SR:径289.020.018.6
951ALL/944S2ALL/968ALL/964R:径299.024.022.0

 ブレーキマスターシリンダー

  • 部品代は2000年現在約4万円ですが、アメリカ通販なら少し安くなるでしょう。
  • Ate が主流ですが Girling もあります。マスターシリンダーとブレーキサーボはメーカーの違いに注意です。
    924Sで、Girling のブレーキサーボにGirling の代わりにAte のマスターシリンダーでの交換は可能なようです。
  • ブレーキマスターシリンダーは以前の車検制度では車検ごとの定期交換部品でしたが今は違います。
    そのため劣化してきたまま使っているとブレーキが抜けてしまうことがあります。
    マスターシリンダー交換で必要なブレーキオイルは1Lあれば十分です。
    マニュアルでは0.2Lとなっています。
  • ブレーキフルードが減った場合、LHD車の場合ブレーキではなくクラッチのオイル漏れの場合有り。
    RHD車も左側にブレーキブースターやシリンダーがありますがクラッチオイルは別系統です。
  • 924Sのブレーキブースターは9インチです。
  • 944S/951/968で、M030の大きなブレーキが付いてるモデルでもサーボは同じ大きさだと思います。M030はAteのみ。
  • ABS無しは、フロントブレーキ配管がABSユニットへ行かないためマスターシリンダーから直に左右別々に出ていました。

 マスターシリンダーの部品変更

  • 951/S2/968等、ABS付き車のマスターシリンダーはABS無しと統合されてしまったようで、951.355.011.01 (Ate)を注文すると配管の穴が余ってそのままでは交換できません。
    PETを見ると、1箇所余った穴は、930.351.919.00 ベンチレーションバルブ(ブリーダーバルブ)で塞ぐようになっています。
    この部品は、ブレンボ・ブレーキキャリパーのブリーダーバルブその物です。


 ハブベアリング

  • ハブ(ホイール)ベアリングの点検方法は、リフトアップさせてタイヤの上下を持って動かしガタを見ます。
  • 又、ブレーキを踏んでガタが出なくなればショックやアームではなくハブベアリングが原因である可能性あり。

  • フロントは968まで全車テーパーローラーベアリング(INNER WHEEL BEARING & OUTER WHEEL BEARING)を使用しています。
  • 昔、ディーラーでは車検ごとにOHしグリース交換していましたが現在はそんなことはありません。
  • テーパーベアリングはプレロード(予圧)を与えて置かねばならず調整されていなければなりません。
  • 作業としてはハブやブレーキローターを外しますので、ローター交換を近く予定しているのならば同時がお勧めです。
  • プレロード調整だけならばホイールを外すだけで出来るので工賃は安くなります。

  • グリース交換やベアリング交換ではハブやブレーキローターを外します。レースを外すのにはハブを熱してやります。
  • 洗浄して新しいモリブデングリスを付けて組み直します。

  • リアのベアリングは951/944B以降(924S含)のアルミアーム車から複式アンギュラ玉軸受け(密閉式)タイプに変わりました。
  • このタイプはメンテナンスフリーでグリースアップできません。異音が出たらベアリングAssyで交換です。
  • ベアリングはサイズが合えば他のメーカーのが入れられるようです。
  • リアのアンギュラタイプのベアリングNo.が後述してあります。
  • リアはローター、キャリパーを外す際、ブレーキパイプも外す場合があります。リアは金属管なので。
    ついでにブレーキオイル交換になります。

  • 924/931/944Aの鉄アーム車はリアもテーパーローラーベアリングでOH可能ですと言うかメンテナンスが必要です。

 グリースアップ

  • グリースアップのためのニップルは存在しないようです。
    フロント・ハブ(ホイール)ベアリング位でしょうか?(グリースの詰め過ぎは沸騰の元で駄目らしい)
  • その代わり、ブッシュ/マウント交換をすると言った感じでしょうか。
  • ドライブシャフトのCV(等速)ジョイントはダストブーツが裂けてグリースが飛び散らなければ何もしません。
  • 効果無いかもしれませんがワコーズのラバーグリースwxをスタビブッシュ内側に塗るとマイルドになるかも?

 テーパーローラーベアリング調整

  • 調整方法はグリスキャップをタガネのようなのを当ててハンマーで軽く叩きながら外し、
    クランプナットをヘックスを使って行うと思います。
    締め込んでから、戻して、下記のようにワッシャーが擦れるように調整します。
  • クランプナットの後のワッシャーがドライバーなどで軽く擦れるように動く程度に調整するようです。

 脱着の注意

  • ハブはアルミの鋳物です。(924は違うかも?)
    何回でもベアリング交換出来る訳ではないかも知れません。
    ガタではなく少しの錆び程度ならグリース交換程度にしておくべきかも。
  • ベアリング交換ではレースを脱着しますが、叩いて無理にやってはいけません。
    焼き嵌めです。熱して脱着するのです。
  • ベアリング自体のガタ以外に、ハブに遊びが出来てレースが動いてしまう状態になる場合があります。
    そうなると低速でガッキンコガッキンコ異音が出るようになる場合があります。
    ちなみにS2とS2CSではハブの厚みが違います。928S4ローター装着のためか数ミリ厚いです。

ドライブシャフト関係は駆動系をご覧下さい。


 フロントハブOH工賃例

  • 2002年に東京の有名工場の見積もり
  • グリス交換+ハブシール交換 金額 部品約0.3万+工賃約4万円
  • ベアリング交換 上記金額に+部品約1.3万+工賃約2万

  • 1999年東京のディーラー
  • Fハブベアリング プレロード調整のみ 工賃約0.4万円

 フロントのハブベアリング互換情報(仮)

  • 944S2等用
  • SKF BR3(000.981.63.05-999.059.089.01)
  • SKF BR17(183576-999.059.061.00)
  • KACO DFS 45*62*1c 979.809 NBR(477.405.641)


 リアのハブベアリング互換情報(仮)

  • 944B,951,924S,944S,944S2,968 の純正部品は 999.053.020.02 番です。
  • 911('74-'89) も互換性があるようです。
  • 下記に Mandrake 号944S から外したガタガタになったベアリングのデータを載せました。

Wheel Bearing No.
SKF光洋SUNSHINCMB/WBFAGRIB
BA2B309609AD
305988(FW161)
DAC4282B2RSDAK42800342DAC4280034252724C8515

DIMENSIONS (mm)

内径 (d)外径 (D)幅 (B)TYPE
データ4280.0342BMW
SKF使用済み実測42.0079.9841.98


 工賃例

  • 2003年に東京の工場見積もり
  • ハブベアリング+ロックリング交換 金額 部品約3.2万+オイル約0.6万+工賃約11.3万円

ホイール


 ポルシェホイールの基礎知識

  • 924系マシンは1987年からホイールのオフセットが+52.3mmに変わり、その後も色々な値があります。
  • ポルシェはP.C.D.が130.0と言う特殊な値なので、交換は純正又はポルシェ用になります。
  • 大抵はインチアップさせようとするとリム巾やタイヤサイズも大きくなるので当たらないか注意が必要です。
    (リアのワイド化ではサイドブレーキのホースが削れてしまうことがあります。フェンダーも片側無事でも逆が当たる場合があります)
  • ホイールのリム巾はホイールリム又は裏に刻印されています。
  • オフセットは裏側に ET52.3 とか ET65 と刻印されています。ホイール巾の中心から何mm外側に取り付け面があるかです。
  • ポルシェ純正ホイールのデータと重量のリストも参考にしてください。
    −−−−−ホイール一覧
  • オフセットの目安としては、
    86年以前は911ビックバンパーのホイールと同じ。但し、924TURBO の5穴はET53 です。
    87年以降は911カレラ2のホイールと同じ。ET52.5
    928と同じフロントキャリパーの後期951と944S2CSと968CSはフロントだけET65

  • 87年以降の944(ET52.3)で993用ホイール(ET70)を履かすとリアが引っ込みます。スペーサーを入れないと面一になりません。
    86年以前の944(ET23.3)で993用ホイール(ET70)を履かすともっとリアが引っ込みます。分厚いアダプターが必要です。
  • そのままのボルトでは7mm程度までしかスペーサーは入れられません。
    それ以上は、ボルトを長いのと交換するか、ボルト付きアダプターを入れるかになります。
  • スペーサーは直径168mmの円盤に直径90mmの穴が空いたドーナッツでP.C.D.130.0のボルト穴が5ヶです。
  • ラジさんはインチキアップと言う技を使っています。PCD変換アダプターを特注して、'86-951に国産車(FD)のホイールを入れています。
    −−−−−吉田興産

  • ホイールには取り付ける位置が決まっています。5本あるハブボルトの内のピンク色ペイントされている1本を基準にします。
    15/16インチはピンクのボルトとホイールのエアバルブが近くなるように組み付けます。
    5スポークのカップデザインなどは16インチでもエアバルブが対角になるように組み付けます。
    17インチ以上はピンクのボルトとホイールのエアバルブが対角になるように組み付けます。
  • ロックアップ・ホイールナットはペイントされたボルトに取り付けます。(24,68のCSはロックナット無し)
  • このペイントは消えてしまっている車もかなりいます。基準の目印なので無ければ気にすることはありません。
  • ロックアップ・ホイールナットの鍵穴のプラスチックカバーはオーナーズマニュアルに外し方が書いてあります。
    キーの爪で引っかけて開けるとか。そして回してキーごと外します。'94年式は鍵は無く、アダプターを介して回します。

  • ポルシェのホイールナットはアルミ製です。ホイールと当たる底の面は球形になっていて珍しい形です。
  • 数回脱着したら新品に交換する事が勧められています?!
  • アルミにアルミなのでホイールナットに特殊グリス(純製オプティモリTA)を付けて固着を防止します。
    塗る場所はナットのホイールと当たる底の面です。ネジ部ではありません。
    しかし、近年のホイールボルトになったポルシェの説明ではネジ部にオプティモリTA(アルミニュウム・ペースト)を塗るとあり、材質も違うのでナット時代のポルシェとは違います。
    スパークプラグに塗るスレッドコンパウンド(耐熱)をハブボルトのネジ部に塗って座面には塗らない車種がありますが、ナットのポルシェは違います。
    スレッドコンパウンドの色は銅色で、純製オプティモリTAは灰色っぽい。
    モリブデングリスだと、滑りすぎて締め付けすぎる恐れがあるようです。この場合インパクト厳禁です。消耗品のアルミナットを長持ちさせるためにもトルクレンチを使いましょう。

  • 締め付けは星形の順に仮締め、間違っても足でレンチを使わない。締め付けトルクは、130Nm/13kpm です。工具19mmです。

  • 4穴の924は Lug Bolt (M14*1.5*25.5)かもしれません。VWゴルフ3もこれに似たボルトです。

  • ハブキャップはFR系が無彩色なのに対し964等はクレストが墨入りになっていることが多いです。
  • P.C.D.130のおかげで国産車と違い、大きなセンターキャップに大きなクレストで格好良い大径ホイールデザインです。
    社外のホイールの中には、フロントハブキャップがセンターキャップ裏側に当たってしまうのがあります。S2のET52だと?

  • ポルシェ純正ライトアロイ・ホイールクリーナはPH値9.5です。

  • 後期ターボと944S2CSのフロントにテレフォンダイヤル7J*16履かせるとブレーキ当たります。ホイール裏面を少し削れば入ります。

 直径のインチアップ

  • 新車時から1インチアップのオプションサイズがあるわけですからやるべきでしょう。
    特に15インチのスポーツタイヤなんて消滅したに等しい。16インチにすべきです。
    16は17に。17は17のままで良いと思います。

 リム幅のインチアップ

  • 924、931、924S、944、944Sの純正サイズは前後同じホイール、タイヤです。
  • 944ターボ、944S2、968はリアの方がホイールもタイヤもサイズが大きいです。
  • 924CSだけが、リアだけ太いホイールに前後同じサイズのタイヤを履きます。

  • リアが太い944S2などですが、フロントをワイドホイールにして前後8Jにするとハンドリングが変わります。
    好みにもよりますが、リアを太くしすぎず、フロントを太くするとコーナーが楽しくなる事も。

  • 924CSでは前後7Jでタイヤだけ前205/55-16、後225/50-16にしたらレーシングカーのようなハンドリングに変わりました。
    フロントはワイドホイールに引っ張り目に普通のサイズを入れるとゴムの捩れが減ってダイレクトになります。
    924Sはボディー形状の関係で余り太いタイヤだとタイヤが見る角度によってはみ出て見えてしまいます。

 タイヤサイズ

  • 15インチ:195/65-15,215/60-15
  • 16インチ:205/55-16,225/50-16,245/45-16
  • 17インチ:225/45-17,255/40-17

 バネ下重量

  • 純正アロイ(アルミ)ホイールには鋳造と、鍛造(フォージットアロイ)があり、鍛造のオプションは当時40万とかで高価でした。
  • 964カレラ2などの鋳造7穴はめちゃくちゃ重いです。9J−16なんてタイヤ付きで1本21Kgもします。鍛造は何故か軽くないです。
  • 皿がひっくり返った感じに似たデザインの944turbo-Sのは鍛造です。
    −−−−−928.362.119.30
  • オプションだったディッシュデザインのフォージットアロイは鍛造です。924turbo-Sは標準。
  • 993のリアは9Jの17インチに255タイヤ付き(1分山)でも20Kg。993用は964用より軽いようです。
    −−−−−968後期
  • BBSの広告から一部引用すると、
  • バネ下1kgの減量はハンドリングなどの走行性能がバネ上車体重量15kgの減量の減量に相当する。
  • 4輪で8kg軽量化すればバネ上車体重量で120kgの軽量化に相当する。
    −−−−−BBS


 タイヤの空気圧



タイヤサイズフロントリア
'88924S/944/944S15インチ2.0bar2.5bar
'8895116インチ2.5bar2.5bar
'90944S2/95116インチ2.5bar3.0bar
'9396816インチ/17インチ2.5bar2.5bar

スペアタイヤ2.5bar使用せず

  • ガソリン給油口の蓋の裏のシールに書いてあります。('94-968Kはトランクにシール有り)
  • 冷間時に計ります。
  • 走行会などでは温間時に規定値に調整。1インチアップ程度ならそのまま。

  • 944S2は金属薄の場合R:3.0でビニールシールの場合R:2.5と二種類あります。
  • スピードレンジはH、V、Z、と上がります。Zは240km/hオーバーのスペックでポルシェならZでしょう。
  • タイヤの製造日の読み方は、サイドウォールのDOTに続く10文字前後で表す"DOT"コードを見ます。
    例えば、最後の数字の3桁が129ならば、1989年第12週に製造、4桁で2701ならば2001年27週です。
    '90当時の取り説には6年以上たったタイヤの使用は避けるべきとあります。
  • ポルシェの純正指定タイヤは色々ありましたが、一般市販品と同じ銘柄でも、N0,N1,N2,等と表記がりました。

  • 窒素ガス(N2)に交換したタイヤはヨーロッパの場合バルブキャップを赤色に交換する場合があります。
    窒素ガスは熱による内圧変化が少なく空気抜けが少なく乗り心地が向上します。
    タイヤの中を真空にしてから入れるわけではないので、2回くらい入れ換えないと窒素濃度が上がりません。

  • タイヤの空気を抜く時には、バルブの中のコアをムシ回しで反時計回りに回すと空気が抜けます。
    空気の調整後などに空気抜けした場合、このコアが回ってしまって抜けた可能性もあります。

 空気抜け対策

  • 車も古くなれば、ホイールも古くなり、タイヤの空気抜けが早くなる場合もあります。
  • 窒素ガスに交換すると、空気が抜けにくくなる場合があります。
  • バルブコア(ムシ)が緩んでいる場合もあります(ムシ回しで時計方向に廻すと増し締めになる)。
  • エアバルブが劣化し始めていても、バルブキャップを密閉度の高い新品に交換すると抜けにくくなる場合があります。
    本来は、ラバーバルブ全体を交換すべきかもしれませんが、中のバルブコア(ムシ)だけ交換でも効果があるかも? 
  • エアバルブキャップを新品に交換して、バルブからの極々微量のエア漏れを止めることが出来た事例があります。
    エアバルブキャップはゴミ防止だけでなく、エア漏れ防止にも役立っています。

 スペアタイヤ(スペースセイバー)

  • 近年はスペアタイヤではなく、「パンク修理キット」を積む時代ですが、924系は下記のようなスペアタイヤを積んでいます。

  • スペアタイヤ(スペースセイバー)は空気が入っておらず、空気を2.5bar入れてふくらまし、前輪に使用します。
    リアがパンクしたら前輪をリアに使います。
  • S2までは指定在りませんが968から上記指定になります。LSD装着車は968に準ずるべきでしょう。

  • 車載のポンプが使えないとタイヤがふくらまないので、ポンプの動作点検は重要です。
  • 車載ジャッキは車体側面中央のポイントに使い片側2輪が持ち上がります。作業は短時間に行うことを勧められています。
  • S2/951等は車載工具のホイール回し17mm側で固定ボルトを外します。(924Sは蝶ねじタイプ)
  • ボルトのネジ穴は2つあり、1つはスペースセイバーではないタイヤを収納する時用と思いますが924以外は入らないと思います。
  • パンクしたタイヤがトランクに入らないカブリオレ等は車内積み込みようにビニール袋携行がよいでしょう。

  • 924S/944 :鉄−5.5J*15:15.0kg(タイヤ付き)
    944S2/中期951 :アルミ−5.5J*15:13.2kg(タイヤ付き)
    968 :アルミ−5.5J*16:?kg

  • '88以降の赤色のから?スペアタイヤにはエアバルブの他に安全弁が付いています。
    使用後のエア抜きに使う場合は外してしまうようです。それともゆるめて真空引きが出来るのかな??
  • 普通のバルブは中のコアを虫回しで左に回してエア抜きします。

  • 装着テストはしたことがありませんが、初代ボクスター(986K)のは空気の入った小型のテンパータイヤが使われています。
    3.5J×17 ET19

 自転車用空気入れ

  • 電動じゃなくても、足踏み式や、自転車用空気入れでも、自動車のタイヤに空気は入れられないことはないです。
    自転車用空気入れは、通常、英国式バルブに対応するトンボ口で接続します。自動車のバルブは米国式です。
  • 自転車用空気入れによっては、米国式の継ぎ手がホースに接続していて、トンボ口を外すと自動車にも使えるタイプがあります。
    トンボ口が接続されていて、英国式バルブ専用の場合は、アダプターを購入し、自動車側のバルブに装着すれば使えるようになります。
    管理人が所有しているのは、テラオ社(CHIARO)の「米式アダプター」です。ホームセンターで約300円(2018年)でした。

ジャッキアップ


 車載カージャッキ

  • 車載ジャッキは倒れやすく注意が必要。サイド中央付近の印のあたりで使います。
  • 924、944のクーペは片側前後2輪が同時に上がります!
  • カブリオレはジャッキポイントがクーペと異なります。二重底かもしれないので注意です。
  • 968はサイド中央ではなかったと思います。

  • 車載ジャッキは924Sの場合鉄製(2.8kg+0.5kg)です。924S、944Aは受ける部分がスリットで車体が傷みます。
    マツダRX−7(FD3S)のは、951用のアルミ製の受け部分を924S用にしたような品物なので流用できるかも。
    −−−−−944A?,924Sジャッキ
  • 車載ジャッキは951以降アルミ製(1.4kg+0.3kg)になります。穴に入れます。
    951と944S2と911(964)は同じ物かも。
  • 968では片パンタ式になって横に倒れやすい上に回すと地面に手を擦りやすく操作に注意が必要です。
    −−−−−968ジャキ
  • 2000cc車は初期モデルでは昔の911のような不思議なジャッキです。931は片パンタ式。

 車体を上げる

  • リフト、油圧ガレージジャッキ、リジットラック(馬)のポイントは、フロントの場合:内側のメンバー上です。
    ところが、内側のメンバーは大きな当て板がないと凹みます。968だとAアーム付け根にはアンダーカバーがあるし馬が使いにくい。
  • リアの場合:サイドアングル・ブラケット上です。ゴム板などを当ててキズを防ぎます。

  • 普通のFR車と違って、リアのデフでリフトアップしてはいけません!
    オイルパンで上げてもいけません。トランスアクスル構造ですから。特に944B以降はマウント形状からして。

  • 作業では車載ジャッキを使わない方がよいです。危険な上に、924Sなんかは車体を痛めます。
  • 格的にDIYで整備するのなら、油圧ガレージジャッキと馬が必要です。
    油圧ガレージジャッキと馬の場合、同じジャッキアップポイントを使えませんから、予め何処と何処を使えるか見ておきましょう。
  • M030車などは車高が低いので普通の油圧ガレージジャッキが入りません。ローダウン用が良いです。
    普通のでも、黒い受け皿を撤去し、厚くないゴム板を当てにすれば入るようになる場合があります。

  • オイル交換程度なら、高さ10cm程度のスロープ2個の方が便利です。
    924以外はアングル角に注意。車高が低いとかフロントアンダースポイラー付けたりしてると無理です。
    地面に付く方のタイヤには輪留めしましょう。
    市販のスロープではなくても、角材の片方を斜めに切って自作する事も可能です。

  • カブリオレは床下が補強材のためなのか二重底になっているようです。

足回り部品表 にパーツナンバーの一例あります。

ホイール一覧 にホイールのリストを集めています。

情報・海外通販 に数値の換算表あります。

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