サス
- 924系はフロントがコイルスプリングでリアがトーションバーです。
968CSの内、M030(スポーツパッケージ付き)の場合は、リアがトーションバー+ヘルパーサスの仕様になります。
フロントスプリング
- コイルスプリングには径が何タイプかあるため、コイルの径に合ったショック(皿)とアッパーマウントの組み合わせになります。
- 素944S2/951と、M030車ではコイル径が異なるので、異なるコイルとショックの組み合わせに互換性はありません。
M030ショックの純正車高調はKONIで、サスは車高調なので直巻きタイプです。
純正車高調M030での車高調整は新車時よりもあまり落せません。上げる方にはネジに余裕がありますが。
951や968のM030の車高調整のネジ部分はショックと溶接されていないので外れます。
- ショック+コイル+アッパーマウントのセット状態でなら、S2/968とターボ、又はM030とでも交換可能です。
マーキングカラーでスプリングレート(硬さ)がわかる
- コイルスプリングのマーキングの色の意味(944/924S)
Spring rate 21.8N/mm : (wire-12.0mm) : blue springs
Spring rate 24.1N/mm : (wire-12.3mm) : red springs
Spring rate 28.0N/mm : (wire-11.7mm,partially-12.2mm) : white-blue springs
Kgにする換算式「1kg/mm≒56 lbs/in」「1kg/mm≒9.8 N/mm」
例えばコイルスプリング 21.8N/mm が換算して 2.2kg/mm です。
28.0N/mm でも 2.9kg/mm 程度と、国産車用車外サスに比べて軟らかいです。
これがポルシェの味なんでしょう。ボディーとショックアブソーバーで硬さを感じるのでしょう。そうなると、ヘタったショックアブソーバーではお話しになりませんね。
- 一例コイルサス 944.343.531.00 品番の詳細
- Length removed 約329mm , Spring force F at Length 220mm , Color dot
約329mm , 2850-2950N , 1*white 1*blue
約329mm , 2950-3050N , 2*white 1*blue
- 968の場合、コイルはマーキングの色が違うのにスプリングレートはどれも28.0N/mm(約2.9kg/mm)です。
968クーペのスプリング(マーキングはベージュ、944S2のM031と同じ)、フロントスタビ径は26mm。
968Kカブリオレのスプリング(マーキングはグレー、951の'90年式と同じ)、フロントスタビ径は26mm。
素968CSのスプリング(普通の968のショックに付く純製車高短、2cm程度下がる、マーキングは3青)、フロントスタビ径は26mm。
968CSのM030スプリング(径が異なる、マーキングは白と黄、944S2のM030と同じ)、フロントスタビ径は30mm。
リアトーションバー
- リアのトーションバー(ねじり棒のバネ)はケースに入っていて横置きです。
- リアの車高調整は、トーションバーを抜いてスプラインをずらす必要があり、面倒になります。
- 交換にはマフラーやドラシャを外して外してリア周りを降ろす大変な作業になります。車高調整の項も参考に。
基本的に太さで硬さが決まります。一番太いのは968や後期ターボの25.5mmです。全長は約675mmです。ビートルと同じ?
- トーションバーには搭載スペース的利点がありますが、限界付近での挙動に問題が出ます。
捻りが限界まで加わると、スプリングとは違った反発を受けます。
924/924Sでは特にリアがインリフトして3輪走行になってしまい、リアの接地が極度に悪化します。
リアをコイルオーバーに改造するマシンがある理由にはこの悪い特性への対応と、セッティングのし易さの為です。
- スプリングレートは自分で測定できます。
- サスに重り(Kg)を乗せて縮んだ長さ(mm)を計って割れば良いんです。
荷重÷縮長=スプリングレート
- 968CSのリアにはトーションバーの他、ショックにコイルサス(ヘルパーサス)も付きます。
トーションバーの事実上の太さと達成したい合成スプリングレートから、
コイルオーバースプリングの強さを求める公式
- もあります。
- 後から968CSのヘルパーサス付きリアショックに交換すると車高が上がってしまいます。リアを降ろしトーションバー抜き差し調整が必要になります。
- 海外の通販ではリア用コイルオーバーキット(rear Coil-Over kit)も販売されています。
- リアをコイルオーバーに改造する場合、コイル側をメインにして様々な調整をすることでしょう。トーションバーは細い(弱い)のにしておく方法もあります。
- トーションバーを抜いてコイルオーバーにする猛者もいますが、改造が必要になります。
- 足回りの改造では、サスのスプリングレート、巻き数、プリロード、自由長、レバー比(ストラットは1.0)、ショックの伸び側/縮み側の減衰力、マウントの硬さ、タイヤ等、色々考えることが多いですね。
- 車検証の軸重見ればわかりますが(ホイールとかバネ下除きショックの反発加える)フロントサス1本に架かる加重も計算できます。そこが常用荷重点。
- 足回りのセッティングはレース屋に頼むのが高いけど確実なはず。他のサイトも参考に研究して下さい。
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