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No.215b.H27.04/04
MT車/クラッチ

924のミッションはAudi100のを流用しています。931S/CarreraGTはポルシェミッションです。
944は再びAudi製ですが5MT。ATもAudi。968は6MTがゲトラグ製。TipがZF製。


 クラッチ (新車時ゴムダンパー)

  • 951、968以外のクラッチディスクはダンパーがゴムで介されており、すり減って滑る前にゴムが砕けて寿命になります。
    書物によってはトーションラバーと呼ぶ場合もあります。
  • 現在の部品はゴムで弱いクラッチディスクからスプリングダンパータイプに変わっています。詳細は後述。

  • 変な音や振動、ギヤの入りが悪くなったり、繋ぐ時「カンッ」って音がするようだと一度検査した方がいいかも。
    「カンッ」って音はクラッチミートのショックをねじれて吸収するゴムダンパーが砕けてダイレクトにストッパーが当たる音です。
  • ゴムダンパーが砕けてもクラッチ板が外れて動けなくなるわけではなく、走れます
    しかしそのまま走り続けると砕けたゴム片が挟まったりしてクラッチが切れなくなったり、ボスが空回りしだして動けなくなります。
  • 砕けるまで行かなくても、ゴムのねじれ量が増えて加速時に息付きのようなタイムラグが出て駄目になる事も。

  • AT車の場合、クラッチ位置にフライホイールダンパーと言うゴム円盤を採用していることから振動にも対応しているようです。
    ドイツ鉄道ICE1の車輪がゴムをサンドイッチした弾性車輪を採用して脱線した事がありますが、同じように設計思想を感じさせます。

  • 944S2など用にもスプリングダンパー式の純正品が用意されました。スパスパッとダイレクトになります。
  • アメリカ通販のSACHS製部品でも、保証が効かないだけで部品自体は純正採用品と全く同じです。
    [944.116.011.02]は、SACHS[1878066531] と同じ。重量1,440g
    2004年現在まだ Spring Hub Disc とRubber Hub Disc 両タイプが選べる場合があるので注文には注意です。
  • スプリング式に交換した場合(除く951)、ジャーーーっと音が出るようになってしまったマシンが結構あります。
    944NA系のクラッチはスプリングがシングルなのでジャー音が出るようです。
    2004年に交換したザックス製はジャー音がかなり小さくなっていました。スプリングは一列ながらサイズの異なる組み合わせでした。

  • 2004年現在、924Sのディスクは944S2と共通部品225mmに統合されました。944,944Sも。ダンパーもスプリングでしょう。

  • クラッチが重い(本来重くない)と交換時期の可能性が高いです。
  • 磨り減ってくるとクラッチの移動量も増えて重くなりますし、カバーのたわみ量も増えてグニグニしたフィールになる場合もあります。
    えるさんの951はブレーキ&クラッチオイル交換でクラッチが軽くなったそうです。
  • 登場時のクラッチ径は、924/931/944/924Sが215mm、944S/944S2が225mm、951/968が240mmです。
    M44.01-12 エンジン (MFZ225)は 6100-6800N の圧着力。M44.51は8700-9500N
  • スターターモーター近くにClutch inspection hole と言う点検穴があります。ゴム栓が落っこちて無くなっている車が結構あります!
    ゴム栓(cap)は944も968も同じ931.116.177.00 で、2007年現在720円です。
    この点検穴の淵とレリーズレバーとの距離でクラッチの残り厚を点検できます。えるさんによると18mmが新品、34mmが限界だそうです。
    −−−−−EL's 928GT

  • バルクヘッド(エンジン隔壁)のクラッチマスターシリンダー取り付け部にクラックが入る事例が数例ありました。
    911(改造車に多い)ほど944/968は聞きませんが、気付かないだけかも?
    タイヤハウスとバルクヘッドの間が剥がれて、クラッチ穴、ハーネス穴にもクラックが繋がり、踏むとぼこっと動いちゃいます。
    クラッチを踏むとグニグニして重く、クラッチミート時どこで繋がったかわかりにくい感触です。
  • 修理にはインマニ、ブレーキサーボ、ハーネス類を外すので結構大変です。車内側からの作業も不可能に近いです。
    しかも、そのまま溶接しても再発する事があるので補強を作る必要があります。
    軽傷ならば板金接着剤と補強でもなんとかなる場合も。
  • クラッチミートでジャダーが出る場合エンジンマウントが弱ってきている時もあるようです。

 クラッチ (944ターボ)

  • 951は240mm径に大型化しダンパーもスプリング式になっています。ジャー音しません。スプリングが大小二重だから。
    小さいスプリングがターボSから3列から6列に変わっています。
    951はスプリングが折れたり外れたりする事があります(特に小さいスプリングが)。
    折れたり外れたりしたスプリングが中で挟まったりするとクラッチが切れなくなります。
    −−−−−'86-951ディスク

 クラッチ (968)

  • 968はダブルマスフライホイールのおかげなのか、ディスクに回転方向のショックを吸収する物は付いておりません。

 交換方法

  • 924/944のクラッチ交換は色々な物を外してからアクセスするので工賃が高いです。
  • 切り離し箇所は、O2センサー、排気温センサー、クランク角センサー、リバース検出、パルス検出、
    シフトロッド、マフラー、エキゾースト、スターター、ホイール、フューエルフィルター、
    ドライブシャフト、トランスミッションキャリアー、ミッション、トルクチューブ、スレーブシリンダー、クラッチハウジング。
    トルクチューブを後ろにずらすのには右へ90°捻らないと変な形の鍔が当たります。
  • '86年式944ターボだとフロントパイプとウエストゲートの間にジョイントが無いため外すのに手間がかかり工賃もかかります。2日がかりかも。
    インテークマニホールドも外さなくてはなりません。

  • 968はサービスホールがあるのでミッションを降ろさず作業可能で工賃が安くなります。
  • 968のフライホイールはツインマスなので部品が高い。そして重い。
  • プレッシャープレート(カバー)は964(911C2/4'90-'91)と同じ部品。

 ディスク以外の消耗品

  • フライホイールは磨り減ったディスクのリベットが擦れたり歪みがなければそのまま使います。
  • プレッシャープレート(クラッチカバー)はディスク当たり面と中心のレリーズベアリングの当たるダイヤフラムが磨り減っていなければまだ使えます。
  • レリーズ(スローアウト)ベアリングは必ず交換。SACHS製は同じリングが3枚付いてきますが通常は2枚使用し、ダイヤフラムが磨り減っている場合ガタをなくすために3枚使います。
    [931.116.082.04]は、SACHS[3151088201]
  • フライホイール中心にあるパイロットベアリングは内側が綺麗ならばまだ使えますが安いからついでに交換しましょう。
    [931.102.111.00]は、SKF[6202-2R51/C3H394249A]、NACHi(不二越)[6202ZZE C3XM X 040119]
  • フライホイールボルトは9本使います。これもどうせなら新品に。
    [900.067.020.02]は、サイズM8*50の六角穴付きボルトです。ピッチは1.25
  • レリーズレバーも減れば2本の爪に段が出来ちゃいますがかなり走らなければ交換するほど減りません。これ部品高いです。
  • レバーが減るくらいだったらレリーズレバーシャフトベアリング(2個)も交換かも。

 外すついでに交換

  • 車種によってはフューエルフィルターも外すのでフィルター同時交換可能。
  • クラッチ交換ではついでにスレーブシリンダーも外すので同時交換可能。
  • 後述していますが、フライホイールの肉抜き改造や軽量化品への交換予定なら同時交換可能。
  • ミッションを外すついでにミッションマウント(そうそう経たら無いけど)も同時交換可能。

 クラッチの油圧シリンダー

  • 931以降のクラッチはブレーキ液を使った油圧です。2000ccNA車はワイヤー式です。

  • シリンダーも長年使えば劣化してオイル漏れし交換です。
  • マスターシリンダーは隔壁を越しにペダルに繋がっています。オイル漏れは室内側のブーツの辺りを見ます。
    クラッチはブレーキより踏む回数が多いのでブレーキマスターシリンダーと同時交換も手かも。
    ブレーキマスターから出ている青いホースは圧があまりかかりませんがついでに交換でも良いかも。
  • マスターは、931〜'89年まではシャフトを引っ張ると抜ける477品番。
    '90年式〜のマスターはCリングで固定されている944品番に替わります(米通販画像ではシャフトが短いのですが実際は長い)
  • '90年式〜ペダルのアーム本体がモノコック構造になっています。

  • RHD(右ハンドル車)はエキマニの上にあるので遮熱したほうが良いかもしれません。
  • LHD車のクッラッチオイルタンクはブレーキオイルタンクと一緒です。
    ブレーキフルードが減った場合、LHD車の場合ブレーキではなくクラッチのオイル漏れの場合有り。

  • クラッチその物にはスレーブシリンダーがありこれも注意です。スターターモーターの隣に付いています。
    あまり乗らない車はスレーブシリンダーのロッドが錆びてオイルが漏れます。クラッチ交換と同時がお得。
    錆びてない内ならリペアキットでの交換が可能(2004年 3,350円)。錆びちゃったらAssyが無難。
  • もう一方のマスターとスレーブの間の圧のかかる方の配管(クラッチホース)は、カシメから液漏れしたり穴が開いたりします。クラッチが切れなくなります。
    シリンダー交換するならついでにホースも交換しましょう。

 操作

  • 911系に比べて普通に繋いでも平気です。(一応)

 クラッチペダルの調整(ヘルパースプリング)

  • S2等はヒューズBOXの下にクラッチを調節するスプリングがあり、踏む時の重さが変わります。
  • 調整は車内から13mmスパナを使って調整できます。スプリングを圧縮する方に締めて行くと軽くなります。

  • クラッチのミートポイント(ペダルをどこまで上げた位置で繋がるか)は油圧式は調整できないのかも??
  • S2オーナーでクラッチのヘルパースプリングの根本が折れる話を聞きます。
  • 油圧のクラッチペダルの遊びは、交換と調整に転記しました。

 改造(フライホイールなど)

  • クラッチ交換ついでにフライホイールの肉抜きをして軽量化する手もあります。
    以前924CSの軽量化加工(ダイナミックバランス込み)は3万円ほどでした。
  • 968は重たいツインマスからシングルに交換すると軽量化の効果が大きいそうです。
  • 944用には軽量フライホイールもアメリカ通販で販売しています、66%の重量になっています。
    レース屋が得意かも。

  • 944を968のクラッチハウジングに交換すれば、951/968用の大きなクラッチが入れられます。
    944も968も、「クラッチハウジング+トルクチューブ」の長さは同じで互換性があります。

クラッチ裂断

 クラッチ裂断


クラッチのダンパーゴム(トーションラバー)が裂けた画像です。
砕けて破片が飛んでいるところも見えます。
Hisさんの944S2CS(2001年オフ会にて)、現在スプリング式に改造。


 924S 交換工賃例

  • 1995年に東京の当時のディーラーにて
  • 金額 部品約15万+工賃約6.8万円
  • ディスク、プレッシャープレート、ベアリング、レバー、クロスシャフト、他ボルトなど。

 ('88)951 交換工賃例

  • 2002年東京の工場(ポルシェ系ではない)
  • 金額 部品約28.8万+工賃18.4万円
  • ディスク(7.2)、プレッシャープレート(7.9)、ベアリング(3.5)、
    レリーズフォーク(5.5)、レリーズシャフト(0.5)、クラッチレリーズホース(1.9)、
    マフラーガスケット(0.3)、ウエストゲートホース(0.3)
  • フライホイール研磨(0.6万)、他、ボルトなど
  • 症状が酷かったのでここまで行きましたが、距離が少なければレリーズフォークやフライホイールは無事な場合が多いはずです。

 ('90)944S2 部品代

  • 2004年10月現在
  • クラッチディスク:97,800円
  • プレッシャープレート:66,000円
  • レリーズベアリング:27,900円
  • クラッチマスターシリンダー:19,500円
  • クラッチレリーズシリンダー・リペアキット:3,350円
  • 概算ですが、クラッチのみ交換工賃:約11.4万円〜


 968Turbo-RS

  • 968のダブルマスのフライホイールがシングルマスになり軽量化されるはずです。
  • セットで$2.500らしい?

  • sports disc:944.116.013.03
  • flywheel:944.102.033.30
  • プレッシャープレート:SACS/3082.213.132
  • ベアリング:SACS/3151.227.001

  • 964ではCarreraRSのに交換してエンストする例があります。968でも個体によっては。

MT車ミッション/デフ


 ミッション

  • トランスアクスル構造なので、ミッションとデフは一体でリアにあります。
    アウディーの縦置きFF車のトランスアクスルをリアに持ってきたと言えます。デフよりミッション部が後ろにあります。
  • 初期の頃は4MTです。
  • '79の924と'80の931と'81のカレラGTはポルシェ製(G31/)ミッションです。ミッションがデフの前あるストレートな構造なります。
    当然ポルシェシンクロのポルシェ製、レーシングパターン5MT、なんと言ってもコンパクトで効率的です。
  • '80の924からはアウディー製通常パターンの5MTになります。またデフよりミッション部が後ろにある変な形に戻ります。
  • 951にはM414オプション('89以降標準)空冷フィン付きパイプのオイルクーラーがあります。小型ギヤポンプあり。
  • 968にはゲトラク製6MTが採用されます。左上がR。
    968はS2等に比べ発進時にエンストしやすいのに、ゲートの左右幅が狭いので発進時に1速のつもりが3速に入ってエンストさせやすい。

  • 924Sや944Aのミッションマウント(サイレントブロック)はミッションの左右に付きます。
  • 951や944B以降のミッションマウントはミッションの真ん中一ヶ所でサブフレーム(キャリアー)にぶら下がります。
    両方ともミッション本体にはどちらにも使える用両方の穴が開いていますが、オイルクーラー付きには側面のボルト穴は無いようです。
  • 968のミッションは真ん中だけ。

  • シフトレバーについては操作系ページ参照

  • 944B/951/944S/944S2はミッションにスピードセンサーが付いています。944A/924Sはそこに蓋がしてあります。968は無し。

  • ギヤシフトロッドが、ミッションに連結するボルト(クランプボルト)には穴が開き、ワイヤリング(lockwire)がされています。

 写真で説明ミッションの刻印とマウント位置

  • 944のミッション(アウディー製)はミッションの頂上部(写真のピンク矢印部分)に刻印があります。
    アルファベット+数字5桁で、アルファベット(Code)でミッションタイプがわかります。数字は製造年で、『日2桁+月2桁+年1桁』
    944S2の場合、『AOS』'89-'91
    944S2CSの場合、『AOT』'89-'91 LSD付き
    944TURBO−Sの場合、『AOR』'88-'91 LSD,Oil Cooler ('89-951のにはAORと刻印があった。LSD,Oil Cooler付き)

  • 写真の緑色の印の場所に951/944B以降のタイプはミッションマウント(1個)が付きます。
  • 写真の青色の印の位置に、944A/924Sのタイプはミッションマウント(両脇)が付きます。
    オイルクーラー付き以外のミッションケース自体はほぼ共通。どちらのタイプのミッションマウントも付きます。換装可能。

  • 968(G44/00)は、964(G50/05)と表記がほぼ同じで、最初の5桁が形式、次がL.S.D.の有無、6桁がシリアルです。
    968の刻印は底の面に打ってあります。
    968MT(LSD無し)---------G4400 1 00****
    968MT(LSD有りM220)-----G4400 2 00****
    968Tip---------------------A4400 1 00****
  • LSDの種別はわからないのかも? 機械式40%入り、トルセン入りと純製でも種類があるのだが。

 ギヤ比

  • ギヤ比はエンジン出力特製などに合わせて作るはずですが、5速は別の思想で決められたように感じます。
  • 公道を走るのに、951、968以外はファイナルギアが低くローギヤードに感じます。

  • '80年式のポルシェミッションの924ターボSは過給のために1速が低く('81より高いが)、燃費のために5速が凄く高い(離れてるし、高すぎっ)。
    そして、レーシングパターンなので2−3は直線で操作が可能。
    '81-'82年931はCG−No.258 参考です。

  • '87年までの944/924Sの日本・USA用ミッション016Kは、'81-'82年の924ターボと4速が少し違う以外同じギヤレシオです。
    1速が低く、5速が離れて高いギヤ構成です。ハッキリ言って155HPにこの日本用5速は加速不能に近い位高いでしょう。
    その他の国用016J(Worldwide)は、5速が016Kより低い。ちなみにエンジンは有鉛ハイオク163HPです。
    '88年式で、944も924Sもヨーロッパ仕様に統一され、5速のギヤ比が低くなりますが、他社とかと比べてもかなり低いギヤです。
  • 944のミッションは、['85/2]944Bで、スピードメーターセンサーが付き、Codeが変更になります(016K-5Sor7V)。
    924Sのミッションは、'87年式が944Aの日本仕様(016K-QMor8Q)、'88年式が944Aのヨーロッパ仕様(016J-QKor7Q)です。

  • 日本仕様でも'89年式944は016Jのようです。エンジンは165HPです(FQSをハイオクしようにする必要があり)。

  • 951は5速まで全てでステップアップ比のバランス良くなっています。リズムが良い。ファイナルは高くハイギヤードです。

  • 944Sは951のファイナルを3.375から944と同じ3.888にローギヤード化しただけで各段のギヤレシオ、ステップ比は951と同じです。

  • 944S2のギヤレシオは1〜4速が951/944Sと同じですが、5速だけがやや高く、ファイナルは944S/944よりやや速い。

  • 968はクロースした6速で、本気走りに良い。フィーリングも良い。が、クロ−スミッションなので一般道では何速に入ってるかわからなくなる。

  • ミツワのカタログやネコ本のデータには間違いがあります。
    ファイナルの数値は、資料によって、3.888と3.889があるが、切り捨てか四捨五入の違いで同じ物です。

  • 944S2は、排気量が同じ911SCとファイナルが同じ数値です。各ギヤは1速〜4速で911SCが高く、5速は944S2が高い。
    951は、964(3600cc)と、ファイナルも各ギヤもかなり近い数値です。
  • 924系はパワーとトルクの近いエンジンで比べると、911系よりファイナルがやや低いようです。
  • 911{1978年(SC)〜1988年(Carrera)}の場合、924系より1速−2速間が離れています。2−3−4速は接近しています。

 ギヤ比の表

  • アウディ製と、ゲトラグ製の代表的なのを載せました。ヨーロッパ仕様や一部の日本仕様、そして、ポルシェ製は割愛しました。

  • 各ギヤ間がどの位離れているのかは、ステップアップ比(ステップ比)でわかります。
    1.000に近い数字である程、ギヤ間の差は小さくクロスレシオになります。逆に数値が小さい程、ギヤ間の差が大きくなります。
    シフトアップで回転数がどの位落ちるかもわかります。現在の回転数にステップ比を掛けると、シフトアップ後の回転数がわかります。
    回転落ちはトランスミッション・ダイアグラムでもわかります(924Sは本国仕様)
  • ○倍とは、各ギヤ間で減速比(ギヤレシオ)を比べて何倍減速が多くなってるかを調べた数値です。
    この方が大ざっぱで解りやすいかな。倍数が小さければクロレシオ(クロスギヤ)、大きければギヤが離れていると言う事です。
    高いギヤになって行くほど、倍率は順に小さくなってゆくのが普通ですが、燃費重視で飛び抜けて高いのもあります。
  • レシオカバレッジは、1速÷最終段(5速又は6速)です。数値が大きい程、広い減速比をカバーします。

  • 3段目に各ギヤの到達速度(Km/h)を載せました。CG誌の計測データです(No.258,No.297,No.314,No.334,No.348,No.373 参照)。
    016Kミッションは、motor magazine '87-1 誌の'87-924S 2速、3速、最高速のデータです(1速、4速は無い)。944Bのはカタログ記載の最高巡航速度です。
    016Jミッションは、カタログ記載の最高巡航速度を載せました。
  • カタログ数値とCG誌の実車光電管測定数値はほぼ同一(944S,951)でした。おそらく、'88年式924S/944もほぼ同じと思われます。

Audi/Getragオープン
デフ
M220
(LSD)
M414M220
+M414
1速2速3速4速5速6速ファイナル
924('77/2-'78)
088/A
XT---3.6002.1251.3600.966--3.888:1
ステップ比0.5903
1.7倍
0.6400
1.6倍
0.7103
1.4倍










924('81-'82)
016/9(USA,Japan)
ME5Q--3.6002.1251.3600.9660.729-4.111:1
ステップ比0.5903
1.7倍
0.6400
1.6倍
0.7103
1.4倍
0.7547
1.3倍









931('81-'82)
016G(Japan)
MX6Q--3.6002.1251.4581.1070.729-3.888:1
ステップ比0.5903
1.7倍
0.6861
1.5倍
0.7593
1.3倍
0.6585
1.5倍


56km/h93km/h135km/h177km/h214km/h
6200rpm
944A('83-'85)
016K(Japan)
944B/924S
('85/2-'87)
016K(USA,Japan)
QL
5Y
4M
7V
--3.6002.1251.4581.0710.729-3.888:1
ステップ比0.5903
1.7倍
0.6861
1.5倍
0.7346
1.4倍
0.6807
1.5倍


-
-
90km/h
-
129km/h
-
-
-
215km/h
210km/h
←924S
←944B

924S('88)
016J(Worldwide)
944B('88)
016J(Worldwide)
944B('89)
016J(Worldwide)
QK
5Y
ASG
7Q
5Z
ASH
--3.6002.1251.4581.0710.829-3.888:1
ステップ比0.5903
1.7倍
0.6861
1.5倍
0.7346
1.4倍
0.7740
1.3倍







220km/h
218km/h
-
←924S
←944B
←無し

944S
083D
AGPAGR--3.5002.0591.4001.0340.829-3.888:1
ステップ比0.5883
1.7倍
0.6799
1.5倍
0.7386
1.4倍
0.8017
1.3倍


57km/h97km/h142km/h194km/h228km/h
6650rpm
944S2
083F
AOSAOT--3.5002.0591.4001.0340.778-3.875:1
ステップ比0.5883
1.7倍
0.6799
1.5倍
0.7386
1.4倍
0.7524
1.3倍


55km/h94km/h138km/h187km/h234km/h
6400rpm
951('86-'88)
951('89-'90)
016R
016S
UY
-
016S
9U
-
016R
5P
-
016R
5R
AOR
3.5002.0591.4001.0340.829-3.375:1
ステップ比0.5883
1.7倍
0.6799
1.5倍
0.7386
1.4倍
0.8017
1.3倍


65km/h
63km/h
110km/h
106km/h
160km/h
157km/h
217km/h
211km/h
241km/h
250km/h
←'86
←'89
6300rpm
6400rpm
968
G44/00
G4400 1G4400 2--3.1812.0001.4341.1110.9110.7773.777:1
ステップ比0.6287
1.6倍
0.7170
1.4倍
0.7748
1.3倍
0.8200
1.2倍
0.8529
1.2倍

63km/h100km/h139km/h180km/h218km/h245km/h6800rpm


951968944S2944S944(016J)944(016K)'81-931
1速の総減速比(1速ギアXファイナルギア)11.81312.01513.56313.61214.00014.00014.000
オーバートップの総減速比(5速又は6速)2.8002.9353.0153.2233.2232.8342.834
レシオカバレッジ(減速比の幅)4.2224.0944.4994.2224.3444.9404.940

  • オーナーズマニュアルに、エンジン最高出力曲線、加速曲線、トランスミッション・ダイアグラムが載っており、計算の参考になります。
  • ダイアグラムで見ると、924Sと944S2の1〜4速は全く同じグラフです。図は大ざっぱかもしれません。
  • 968の6MTは、S2の4速と5速の間に951の4速を入れて968の5速にした感じなんですね。

  • 1速の総減速比は、944/924Sが異常に低いことがわかります。
  • 968の6速の総減速比は、944S2の5速の総減速比よりわずかに高いが、951より全然低いことがわかります。

  • '88年式924Sのミッション換装前後の実測データです。スピードメーターでの目視測定ですが。
    924S(016J)MT実測メモ:5速時:100km/h-2600rpm、150km/h-3800rpm、
    924SのS2MT化実測メモ:5速時:100km/h-2300rpm、
    '87年式の924S(016K)MTは、100km/h-2400rpm位らしいです。計算が合わない?

 ミッションの換装

  • ROMチューンなどでパワーアップした場合は、ファイナルの高いミッションに乗せ替えてギヤ比を変更すると走りやすくなります。

  • ギヤ比の変更にはミッションごとの載せ替えが現実的です。
    トランスアクスルなので、ファイナル変更目的のデフ交換が出来ず、ミッションごと開ける羽目になるからです。

  • 944(944B/951/944S/944S2)同士では結構簡単に載せ替え出来ます。
    944A/924Sとの載せ替えでもミッションマウントの穴は両方に対応しているので、スピードセンサー入れ替えればOKです。
    968の6速ミッションはかなり異なるので色々問題がありますが、下記のようにすれば可能です。

  • 開けるのが面倒なのでミッションごとの載せ替えを紹介しましたが、ファイナルだけ交換も可能ではあります。
    944のリングギアとピニオンシャフトには、下記の組み合わせがあります。
    9:35(3.889)、8:27(3.375)、8:31(3.875)
    詳細は不明ですが、ベアリングの型番が違ってる場合などはシャフトとかの太さが違う可能性がありますので、そこだけ交換とはいかないかもしれません。

 944/924Sのギヤ比は変! 944S2ミッションに換装

  • 街中で944/924Sのギヤ比は低すぎます。
    FQS調整やロムチューンでパワーが出ると、ローギヤードな事に気付きます。
    1速はタコの上昇に対して前に進まず、五月蠅くなる前に2速にチェンジするしかありません。
    1速をレッドまで引っ張らない走りの場合、シフトアップタイミングを後に出来るハイギヤード化が乗りすいはず。
    渋滞では、ノーマルミッションでは1速と2速を繰り返し操作するハメになるが、944S2ミッションなら1速でカバーできます。

  • 944S2ミッションに交換した場合、少しハイギヤード化します。
    ファイナルを始め、少しずつ高くなります。1速の最終到達速度は大差ありませんが、チョットの差が大きい。
    0発進の半クラが気持ち長くなり、3速などのエンブレが弱くなるなど、ハイギヤードになった事がわかります。
  • 2速から1速へのシフトダウンもしやすくなります。

  • 日本の峠道にはヘアピンカーブが多い。そんなステージでも944S2ミッションのギヤ比は使いやすい。
    ノーマルだと、ヘアピンでも1速は低すぎるため、2−3−4速を使うようになります。4速は入っても一瞬で、すぐ3速に落とす場面も多く不便。
    これが、1−2−3速を使うようになるのでかなり加速しやすくなります。
  • サーキットでは、944S2ミッションよりノーマルミッション('88年〜'89年式)の方が良いそうです。

  • 高速道などでの燃費は、計算上だと5速の総減速比から、'83年〜'87年式では悪化し、'88年〜'89年式では良くなるはずです。

  • 換装はほぼボルトオンです。944A/924Sの場合、車側のマウントをそのままS2ミッションに付けられます。
  • 951のミッションの内、オイルクーラー付きのミッションはデフのカバーにネジ穴が開いてないので924Sへは改造が必要。
  • 968の6MTにするには、ミッションマウントが異なるためサブフレーム(キャリアー)を作る必要があります。
    ただし、5速、6速を廻しきれる場面はそうそうないと思います。1速は半クラが気持ち長くなる。

 944S2を951ミッションに換装

  • 元々S2は低回転からトルクの出るワイドなエンジン特性の3000ccなので極端に言えば1−3−5速だけでも走れる程です。
  • S2のファイナルはちょっと低いと言うことで、ハイギヤードな951ミッションにした方がいます。
    場面によってはギヤがベストマッチすると重宝しています。高速での4速の伸びは実戦向きらしい。


 6MT化

  • 日本でも924Sや944S2を6MTに換装した方がいます。
  • S2は元々トルクフルな特性なので5速で十分ですが、楽しさとかっちりしたフィーリングの良さを楽しめます。

  • ミッション接続部の位置は変わらないのですが、968のトルクチューブはクラッチケースが大きいために短く、MT交換のみでは944用を使用します。
    ドライブシャフトはデフの横幅が変わるので968のを使います(左右不等長)。
    ミッションマウントは加工(スペーサー?)が必要。
    特に944A/924Sの場合はマウント(ブロック)穴が側面に存在しないのでアダプター製作が必要。
    シフトロッドは944用のままで可能。縦方向はショートストロークになり、横方向はゲート分増えてボディー側に若干加工が必要。

  • 944B〜はミッションからスピードメーターのパルスを取っていますが6MTには付いていません。
    6MTにセンサーが無い968は4chABSからパルスを取っています。
    S2等のABSユニット(助手席壁面のコンピューター)は品番が古いので968用に交換してパルスを取ります。
    924/944AはABS無いしスピードメーターは前輪からケーブルからなので関係ありません。
    問題はABSの無い944B/944Sなどですね、諦めてABS付きに乗り換えるか968買ってしまった方が安く上がるかと。

 L.S.D.(ノンスリ)924用

  • 新車時のプライスリストには書かれていませんが部品としては2000ccMTにもL.S.D.は存在しました。
  • NA車は944.332.053.00で、944Aタイプとも共通。
  • ターボS/GTのG31ミッションには930.332.053.02(40%)

 L.S.D.(ノンスリ)944用

  • D車の場合、944S2CSは、L.S.D.標準です。'89-951も標準です。
  • D車の場合、951の前期型はL.S.D.とミッションオイルクーラー(空冷)はオプションです。
  • リフトアップして片方のタイヤを回して反対側が同じ方向に回ればL.S.D.入り、反対側が全然回らなければ無し。
  • 944/924S/951/944S/944S2 は共通です。
    L.S.D.はMT車のみ設定がありました。
    部品番号:951332053.05
  • L.S.D.交換にはドライブピニオンの出入り調整必要な場合と不要な場合で工賃に差が出ます。フランジもL.S.D.用に交換。
  • ロッキングファクターは40%で、ドリフトには弱すぎる値です。
    ポルシェ社はL.S.D.を標準にせず、弱い40%にしているのはプッシングアンダーを嫌ってでしょうか?

  • 944/924S/951/944S/944S2 用と、968/964/993用の社外L.S.D.にはクワイフデフというのもあります。
    機械式L.S.D.はまめなオイル管理やオーバーホールが必要ですが、トルセンやクワイフは基本的にOH不要です。
    −−−−−Quaife America

  • 社外L.S.D.にはOS技研のスーパーロックL.S.D.というのもあります。
    944('83-'91)用ですが、951を除くとあります。純正オイルクーラーのせいかな?
    −−−−−OS技研

  • L.S.D.はMT車用ですが、雑誌によると944Bベースの Kremer K4 にはAT車でもL.S.D.が入っていたようです。

 L.S.D.(ノンスリ)968用

  • 968でも通常はノンスリ入っていません。CSでさえオプションです。
  • リフトアップして片方のタイヤを回して反対側が回らないとトルセン?逆方向に回ると無し。
  • D車の場合、968は1992年式は2タイプ、機械式ZF製(053.00)とトルセン(063.00)です。
    1993年以降はトルセンデフのみの設定になりますが機械式も入れられます。
    ロッキングファクターは共に40%です。968Turbo-S でさえ75%です、100%ではありません。
  • 968のMT車は964/993(G50)のものが入ります。
  • 964/993(G50)用の社外L.S.D.には日本製もあります。ロッキングファクター100%の強さかも?
    911系純正L.S.D.は特性上アクセルオフの時に効く普通と逆のワンウェイらしいので注意です。
    −−−−−ATS
    −−−−−カーツ
    −−−−−OS技研


 924S純正L.S.D 装着

  • 1995年頃ディーラーの新品L.S.D 装着見積もり
    L.S.D (本体、フランジ、G/K、オイル):約31万+ショートパーツ代
    工賃:ドライブピニオン出入り調整有り:9万〜
    工賃:ドライブピニオン出入り調整無し:6万〜

 924SL.S.D 中古部品持ち込みO/H組み込み

  • 2002年頃都内某ポルシェ専門工場の見積もり
    オーバーホール使用部品(リング・プレート・シール・オイル):約6.5万
    工賃:ミッション脱着&L.S.D オーバーホール:約5万円

  • ちなみに、純正は機械式L.S.D ですので中古品を組むならO/Hもすべきでしょう。
  • L.S.D 付きデフを組み込むより、ミッションごと交換の方が工賃は遙かに安くなります。
    程度の良いL.S.D 付きミッションを入手出来れば、ミッショントレード交換も手です。
  • CVジョイントのボルトは再使用しない方がよいです。

 オイル交換

  • MT車のデフとミッションはFF車と同じく様に一緒のトランスアクスルなのでオイルも一緒です。

  • 924型5MT車は約2.6L
  • 944型5MT車は約2.0LのGL4(MIL-L2105)のハイポイド・ギヤオイルSAE80を使用(当時)。
  • 968型6MT車は約2.75LのGL4(MIL-L2105B)のハイポイド・ギヤオイルSAE75-90を使用(当時)。
  • 1万kmでの交換推奨('88当時、現在はオイルの進化によりもっと伸びてるかも、GL5,GL6が出てるし)

  • 944型は取り説では2.0Lです。穴から溢れるまで入れると2.5Lになってしまいます(924S,944S2確認済み)
    2.0Lと言うのは穴から6mm〜8mm下が規定だからです。

  • 944型MTのドレン、フィラー両プラグは17mmのヘックスを使用します。両方ともデフ左側面にあります。ガスケットもシールテープも無しです。
  • 試しにフィラーが緩むか確認してからドレンを抜きましょう。トルクは25〜30Nmです。
    '88以降の大きなマフラーの車のフィラーはエクステンションで延長してマフラーの上を跨いで工具を入れた方が良さそう。
    フィラー(点検穴)からオイル注入します。
    1L缶等を買って入れる場合、注射器の大形版みたいなオイルシリンジ(オイルサクションガン)で缶から吸って注入します。

  • 968型MTのドレン、フィラー両プラグは10mmのヘックスを使用します。ドレンはデフ下面中央です。フィラーはデフ左側面。

 968デフの異音

  • 968の6MT車のデフから異音が出るようになってしまうことがあります。
  • イギリスのサイトで968の異音にゲトラグ社の自動組み立てはピニオンベアリングのプレロード調整にムラがあるためと言う話が出ています。
  • リングギアに当たってるピニオンシャフト(アウトプットシャフト)の調整が悪いためで、音が出ると言うことは調整だけでは手遅れでベアリングも交換。
    ベアリング自体も弱いようです。
  • アウトプットシャフトの2組のピニオンベアリング位置はシムで調節でき、何種類もシムは準備されているはずです。

 あれこれ

  • 普通のFR車と違います。リングギアに当たってるピニオンシャフトがイコール、ミッションのアウトプットシャフトである一体構造なのです(MT車)。
  • ボディの振動がエンジンマウントの劣化だけでなくミッションマウントも交換しないと消えないこともあります。
  • 944B〜S2ではミッションにスピードメーターセンサーがあります。
  • AT車のデフはAT/Tipの項参照。

AT/Tip車


 あれこれ

  • ATの構造は、フロント(MT車のクラッチの位置)にフライホイールダンパー、リアにトルコンとATとデフがあります。
  • 924/944のATは3速ATです。ヨーロッパモデルと日本/USAモデルではミッションが異なります(詳細は不明)。
  • 968はTIPTRONICと言う4速ATです。
  • 924TURBO,924CarreraGT,944TURBO,944S,944S2 にはATの設定はありません。

 AT車のフライホイールダンパー

  • 「A944.116.065.04」のゴムの円板見たいな部品が裂ける。944でも968でも裂けます。
  • 変な音がしだします。MTと同じくカンッと当たる音や裂けたゴムでガラガラ音が出ます。
  • 必ずと言っていいほど裂けるので定期交換部品だと思った方がいいでしょう。
    特に都市部では寿命が4万kmとか短く、夏場に切れることが多いようです。

  • ダンパーはMT車で言うクラッチの場所にあります。
  • 交換作業は、マフラーやトルクチューブ+ミッション+デフの方まで外します。968Tipも同じです。
  • アメリカ通販で部品購入するとかなり安く上がりますが送料とかにも注意。
  • 部品は924は別物だが、944(924S)は品番が違うが968のが装着出来ると書いてある型録もあります。

ATダンパー

 944B 交換工賃例

  • 1998年頃に関西の工場にて
  • 工賃約6.4万+部品16.5万円

  • 2000年PJでも部品代は同じでした。当時レートではアメリカ通販の方がかなり安かったです。
  • 968も込み込み約25万で大体同じか?(過去ログから)


 ティプトロ

  • 968のATはTIPTRONIC と言う5つの基本プログラムによる4速ATです。横のゲートに入れることでマニュアルっぽく運転できます。
    Tip は、セレクターレバーD位置で弱くアクセルを踏んでスタートすると2速ギアでの発進になます。
    強く踏み込んでスタートした場合は1速から発進します。
    セレクターレバーが3,2,1の場合1速から発進し、2では2速までしかシフトアップしないのでエンジンブレーキも良く効きます。
    Tip のマニュアルシフトゲート・モードでは踏み込んでもキックダウンが行われないので手動でシフトダウンさせます。
    マニュアルモードでも限界回転数やアイドリングになった場合、自動変速します。

  • 故障(警告灯点灯)時は、緊急モードで3速か2速に固定されます。
    走行中に警告灯点灯の時は、4速に固定され、次にエンジンを切るまで4速のままになります。

  • ATレバーのマイクロスイッチも多走行なら不具合が出る可能性有り。(結構簡単な作りなので自分で分解O/Hできるかも)
  • 10年を経過し流石のTipも色々不具合が出始めてるようです。ガクガクしたり。
    ガクガクストールが増えています。原因は聞いていませんが、自動変速不調やトルコンの不調なのでしょうか??
  • OHはディーラーでもデルオートに外注のようです。

  • 加減速G、旋回G、走行速度、スロットルポジション、エンジン回転数、からのパラメーターでシフトプログラムを自動選択します。
    コンピューターはリアトランクに搭載されています。


 Tipオイル交換工賃

  • 2001年に東京の元ディーラーにて(記事【4035】より)
  • **工賃**
  • A/Tフル−ドフィルタ−交換:10,800円、デフオイル交換:2,700円
  • **使用部品等**
  • A/Tオイルフィルタ−:5,620円、
  • デフオイル 75W-90 1L:2,475円、A/Tオイル 5L:8,000円


 オイル

  • AT車はATはATF、デフにはデフのオイルを別々に使います。

  • 924S/944のATFのレベル点検はオイルが暖まっている時に計り、エンジンはアイドリング、ギアはNポジションです。
  • この時にATミッション後部のリザーバータンクのMAXとMINの間にあるようにします。

  • 924S/944/968はATオイルクーラーがあります。
    リアのATからフロントへATFのラインがあってラジエターに入り、冷却水で温度管理されます。
    ヒートエクスチャンジャーが劣化すると混ざります。
    944の場合、エンジン右のエキゾーストの上にヒーターへのパイプと一緒にATオイルのパイプがあると思います。
    968Tipではさらに空冷オイルクーラーが別体で追加されています。
  • ATFの劣化やATFの温度センサーの異常からラジエターの冷却ファンが回りっぱなしになる場合もあるそうです。

  • 944は、ATF Dexron 2D 6.5L ,交換の時には2.8L使用します。
    デファレンシャルにはSAE90を1L使用します。
    部品で見る限りでは944型デフのフィラー・ドレン両プラグはMT車と同じヘックス17mm工具を使うと思います。

  • 968は、ATF Dexron 2D 7L ,交換の時には2.8L使用します。
    デファレンシャルにはSAE75W-90を0.7L使用します。
  • 968型デフのプラグは8mmのヘックスを使用します。ドレンはデフ下面右よりです。

 あれこれ

  • 944のオーナーズマニュアルによると、ATのPレンジ、Rレンジには完全に停車後に入れ換えて下さいと書いてあります。
  • BMW(E30?)なんかは動いてる間にATをRに入れると壊れるそうですから、割と壊れない924系も丁寧に乗りましょう。

  • 2001年ディラーの968AT脱着工賃:4万円

駆動系


 トルクチューブとドライブシャフト

  • 異音にはトルクチューブベアリングの他、ハブベアリング、CVジョイント、クラッチ(ATダンパー)とか色々原因があります。

  • エンジンとミッションを繋ぐトルクチューブは鋼管チューブの中にドライブシャフトが通っています。
    928のような壊れ方はほとんど聞きません。
    ただ、支持するベアリングは逝ってしまう場合があります。五月蝿くなります。
    944のトルクチューブのベアリングは弾力性のあるブチルベアリングによって共振からの騒音を消す構造です。
  • トルクチューブとミッション、又はクラッチ側など、分離再結合することで音が小さくなることがあります。
    トルクチューブとミッションを切り分ける場所は、ミッション側の一番太くなっている場所です。メンテナンスホールがあります。

  • 951のトルクチューブを944S2に移植する場合は吊る出っ張りを切断して転用可能です。
  • 968のトルクチューブはクラッチがツインマスで大きいため長さが短くなっています。
    944も968も、「クラッチハウジング+トルクチューブ」の長さは同じで互換性があります。
  • http://www.rennbay.com/torque.html←この方は日本から 6006ZB C4 Bearings を輸入して改造したらしい。

  • 968のドラシャは左右があります。MTよりTipの方が長さが短いです。
  • 944MTのドラシャは左右共通です。ATはMTと別で左右があります。
  • CVジョイントのボルトは変形穴なので工具もトリプルスクエア(三重四角)を使います。
  • このボルトは使い捨てが望ましく、再使用するとレース走行の場合緩んでしまいます。

  • ドライブシャフトは握って動かすと、車体に対して左右方向にスムーズに動き、回転方向にはまったく遊びがありません。回転方向にガタがあるのは壊れています。
  • ドライブシャフトのCVジョイント(等速ジョイント)はダストブーツが裂けてグリースが飛び散らなければ普通グリス交換しません。
  • ダストブーツは定期交換ではなく結構長持ちするようです。GKN製
    周りにグリースの飛びちりがないか、破れがないか点検は必要かと思います。
  • ダストブーツ交換は、まずドライブシャフトをトリプルスクエアで外し、CVジョイントとシャフトに合いマークをペイントします。
    スプラインのサークリップを外し、CVジョイントを外すと交換できます。ついでならグリス入れ替えもでしょうか。

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