空調
- 924系の空調/エアコンは結構よく効きます。効かない場合、トラブルやガス漏れが考えられます。
- 944、944S、924Sは水冷オイルクーラーのおかげでヒーターが早く使えるようになります。
- 924、944A、924Sはエアコンではなくクーラーです。クーラーONでヒーターの送風はOFFに切り替わります。
内気循環は無く、ファンスイッチ0でも微風が出ています。暖かい乾燥した空気が出せないので雨の時はどちらか選ぶ。
- 951、944B以降はオートエアコンで内気循環も装備。デフロスターモードになるスイッチも備わります。
- 944A、944B、944S、924S、は水冷オイルクーラーがヒーターの効きを早める設計です。
951、944S2、968、には水冷オイルクーラーが無い代わり電熱線ヒーターがあるらしい。それでヒーターの効きが早い?
- 最終型968('94-)には外気取り入れ口にエアフィルターが2個付いていますので汚れたら交換しましょう。風力落ちます。
- 951を例に構造を説明すると、助手席奥にエアコンのエバポレーターはありません。
ワイパー下のブロアの更に下にエバポレーターが斜めに傾けて取り付けられています。
横にエキスパンションバルブがあるようです。
エバポの隣り、室内側にヒーターコアがあります。
空気流路の間にフラップがあり、作動ロッドは左側にあります。このロッドの支持部も劣化して壊れるようです。
ヒーターコアもエバポレーターも奥深く、たどり着くにはダッシュボードを外してコアを割るので大変です。
ヒーターコアのみならば、周りを外した状態からホースを外して助手席側に引き抜くことが出来ます。
一番下にゴム製のドレンホースがありますがカーステの奥側に位置します。その為カーステ交換で配線などを押しつけすぎるとドレンの水が詰まって車内に漏れたりします。
- 944B以降のコントロールユニットは968までほとんど同じ。
- 劣化によりスイッチの抜け留めが割れたり、透明樹脂パネルパーツが割れたりします。
取り付け部分は透明な樹脂で出来ていて中には劣化してヒビが入っていたり割れて固定が出来ない状態の物も出てきています。
スイッチは小さな出っ張りで留まっていてこれも割れやすく、抜けると中の小さなスプリング等が飛び出します。
風量調節ボリュームも割れます。注意しましょう。
外し方は、スライドレバーを引っこ抜いて黒い全面カバーを外すとネジ4本が見えて外せます。
- ACコントロールユニットの部品は単品の部品番号があります。Assyでは新品はなくリビルト交換になります。
S2・968用ACコントロールユニット(AC付き:M573)2006年02月 |
control switch ACコントロールユニット | 944.653.021.04 | 196,000円 | リビルト交換 |
trim clear 透明樹脂パネル | 944.653.912.00 | 5,050円 | 本国欠品 |
tip switch 内気/デフロ | 944.653.921.00 | 12,100円 |
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tip switch ACスイッチ | 944.653.922.00 | 6,700円 |
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熱風地獄
- 944B以降の空調でのトラブルに、熱風が出放しになるというのがあります。
- 温風ではなく熱風が出て制御出来ないのは故障です。下記項目の動きが悪い可能性があります。
- ACがぬるい場合も関連がある場合があります。が、温風はACとは関係なくヒーターである場合が多い。
- フラップの切り替えロッドのクリップ破損が多い!
- 944S2の部品番号(PET6 heater and AC 図の13,14,15番、クリップはbearingと記されている)
品番:944.572.314.00 が割れます。2005年7月現在126円
品番:944.572.217.00 は73円(クリップを押さえる金属カバー)
ロッドは左ハンの場合、運転席足下右のカバーの中です。フラップ駆動のモーターは3つあります(944S2)
- ヒーター(冷却水)の切り替えバルブ(ヒーターバルブ)の故障が新車時は一番多かったらしい。
場所はM44エンジンの場合、エキマニの上を通りヒーターコアへ行くパイプの手前(オイルフィルターの近く)です。
ヒーターバルブにはバキュームホースが繋がっています。
- バキュームホースのヒビやダイヤフラムの固着でも不調になります。
- 室温等のセンサーやコントロールユニット故障もあります。
温風出ない
- エンジン冷却水にエアーが入ってヒーターコアに温水が回らない事があり、エンジンに悪いので至急修理です。
- ヒーターバルブを制御するバキュームラインが真空のままでは温風出ません。コントロールユニット故障でもなります。
グローブボックス裏手(S2の場合)の電磁弁(air valve)故障(2個ある片方)、
電磁弁のリレー(S2の場合ファンリレーG10が制御)の故障でもなります。
他
- 944B以降で足下からカチカチ音がする場合、バキュームバルブ不良の可能性も。
ヒーターコア右側(助手席足下)に2個一組のバルブがあるそうです。
ポーレンフィルター付きに!
- 最終型968('94-)には外気取り入れ口にエアフィルター(ポーレンフィルター)が2個付いています。
- 都心部での汚れた大気や花粉?除去に欲しいですよね。
- '93以前の968/944Bでも、ブロアの上ケースを交換改造すればフィルター付きにできるかも?掲示板【4160】【11596】記事参照。
- バキュームで動作するアクチュエータの取り付けステーが異なるのでここを改造するか、他の部品を買うかすれば改造可能です。
- 2003年3月にディラーで部品代を調べてみました。注:2005年時、遙かに値上がりしています。
- ハウジングアッパープレート : 944.572.105.02 : 8,750円
- ポーレンフィルター : 944.572.477.00 : 5,450円*2個使用
- *'93までの944B〜968の金網にフィルターを貼る改造だと風量がかなり落ちます。'94モデルのは斜めに搭載して表面積を稼いでいます。
- 上ケースが約1万2千円は買いでしょう!もしドイツに在庫があれば約3週間です。
- 純正ポーレンフィルターは値上がりして約3万円もします。使い捨て消耗品なのに。ここは軽自動車用のを切り貼りして代用でしょう!
- フィルター自体はプラスチックの枠などは無く、紙の枠に交換時に引っ張りやすい紙のベロが付いているだけです。
- 小さな軽自動車用のを探し、長ければ切り、隙間が空けばスポンジと両面テープで埋めればよいだけです。
- 改造作業の際は、ついでにFANやエアコンエバポレーターを掃除しましょう。エアコン洗浄スプレーなども使って。
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エアコン
- 1993年式から冷媒のフロンはR12から134aに変わりました。
R12は環境問題から製造中止になっています。市場では在庫品が売られていて時価です。
間違えて入れるとパッキンやリングが溶けて壊れる可能性があります(バルブが違うはずなので間違えないはずですが)。分子が134aの方が小さいため漏れが酷くなる場合もあります。
- ポルシェから純正でエアコン・レトロフィット・パーツと言うのが出ています。
R12仕様を134a仕様に改造するキットです。ディーラーで工賃込み85,680円(2002年UCG19号広告)です。
掲示板【6927】より(924S/944B,S,T)の部品は、レシーバータンク(17,000)、チャージバルブアダプター、PAGオイル、小物少々とR134aです。
しかしこれはガス漏れしていたりコンプレッサーが壊れているエアコンを直すものではありません。
- 基本的に134aはR12より効率が悪く改造だと冷えが悪くなるようです。
- R12生産終了時の頃は、代換品ガスを入れてコンプレッサー壊したり、134a仕様に改造したりしていましたが、壊れない代換品ガスがわかってきたようです。
R12対応品の炭化水素系(ハイドロカーボン)のガスが登場したからです。
ドタバタしていた頃は、R12仕様に134aガスと特殊オイルを混ぜて入れて代用(代換品)しようとしてコンプレッサー壊していたのかも?
もう、高価なレトロフィット改造や、本物R12フロンを使用したりする必要はなくなったのかもしれません。
- R12対応品は比重が違うので、空から入れるとR12が4缶(250g)必要なところ、3缶で満タンです。
個体差かもしれませんが、コンプレッサー負荷が増えて重くなる場合もあるようです。商品に寄る違いか?負荷が減るはずなのに?入れすぎ?
R12対応品は、今までの鉱物油系オイルにも混ざりますが、R12の継ぎ足しより、一旦真空引きで旧オイルとか吸ってから、入れ直した方が安心かもしれません。
- ガス補充は、2001年頃ディーラーで工賃約1.2万+フロン代です。電装屋で工賃約0.3万円+フロン代。
- 作動中にサイトグラスを通る気泡の量で冷媒の量がわかります。詳しくはオーナーズマニュアルなど参照。位置は後述します。
- 空っぽの場合4缶位は入ります。(Refrigerant volume 924S/944A-850g,944B-950g)低圧側から入れます。
- エアコンには冷凍機オイルも入っていてミスト状になって回っています。
- ガスと一緒に漏れるので、酷く漏れた場合、オイルと埃で黒くなってるのを探すことによって漏れた場所がわかる場合があります。
ほとんど空になった状態からのガス補充では、冷凍機オイルも足さないとコンプレッサーを壊す羽目になる場合もあります。
しかし、中のオイルが全部無くなることは無いはずですので足さないですます場合もあります。
- ガス漏れは、オイルと埃で黒くなってる所を探したり、検知器を使うほか、ガスに蛍光材や着色剤を混ぜる方法があります。
- 冬だろうと月に一回はシール保護などのためにエアコンを回すことを推奨されています。
- マイクロロンエアーコンディショナーフィックス添加剤は作動時のショックが減ったりエンジン負荷が減ったとのレポートがあります。
- スーパーシールと言う漏れ止め材は水分と反応して配管の漏れを止める働きがあるそうです。事前にレシーバードライヤーを交換しておきます。【10379】
- エキスパンションバルブ(膨張弁)やレシーバータンク(別名レシーバー・ドライヤー/リキッドタンク)の詰まりもあります。つまり気味の場合、スイッチ入れてしばらくは冷えますがだんだん冷えなくなります。
- 944B/968の場合、エバポ等にたどり着くにはエンジン側ブロアファン外し、室内側ダッシュ外し、ユニットコア割りしてたどり着きます。
エキスパンションバルブだけ交換ならグローブボックス外してそこから行ける噂も?
- 944B以降の空調と言うよりオートエアコンで、冷風と温風が交互にハンチングする場合があります。
交互になるのは設定温度が外気と近すぎて、そういった運転をしてしまうだけの場合もあります。
- エアコンガス不足でも温風/冷風のハンチングは起きるようです。
- 異常高圧/異常低圧でカットするスイッチがあります。異常なガス不足になるとコンプレッサーが電磁クラッチで切れて動きません。
- 968(特にCS?)ではエアコンコンプレッサー下側にある調節ロッド(strut)や取り付けステーやボルトが折れる報告が聞かれます。
調節ロッドなら交換でそれの済みますが、取り付けステーの場合は、本体が壊れるのと同じですから、コンプレッサーごと交換になっちゃいます。
944S2より、968の方がコンプレッサーやパワステポンプの取り付け部が壊れる気がするのですが・・・?
- エアコンコンプレッサーは日本デンソー製なので修理はデンソーサービスでも出来ます。
- エアコンコンプレッサーはリビルト品が安い(新品はデンソーから買えない)。解体品は要オーバーホールかも?
- 電磁クラッチも壊れることがあります。
- 過去ログにアメリカ通販他メーカーのキットの話とかあります。【10000】SELTEC(改造少ないコンバートキット)、【9989】VERTEX(サンデン製汎用CP+マウントキット、配管等要改造)
- 944S2のはDENSO 047200-4162 30-0015 R12 HIGH SIDE 30kg/cm2 LOW SIDE 15kg/cm2
- 924SのはDENSO 047300-3242 と書かれていました。日本製。
サイトグラス(冷媒の量を見る点検窓)
- サイトグラスは、エンジンルーム左前側のレシーバータンク(別名レシーバー・ドライヤー/リキッドタンク)のところです。近くのバルブは高圧側です。
作動中にサイトグラスを通る気泡の量で冷媒の量がわかります。詳しくはオーナーズマニュアルなど参照。
- レシーバータンクは新車時純正アルミ製で高価です。
鉄製黒色の社外品はサイトグラスに保護シールが貼られたままのがあるので剥がしましょう。
968等のはサイトグラス部分が凹んでいてヘキサゴンのメクラで塞いであるように見えますが、ホコリが貯まってるだけなので掃除するとグラスが見えます。
低圧側バルブ
- ガス補充は低圧側から行います。
- 低圧側は室内の冷気が出るエバポレーターからコンプレッサーへの戻りの区間だけです。高圧より太い配管で、作動中触ると冷たいです。
- バルブはタイヤのバルブみたいな虫になっていて黒い樹脂キャップが付いています。
- 924Sの低圧側バルブはバルクヘッドのエンジンヘッド近くにあります。
(高圧側バルブはレシーバータンクのIN側にあります)
- 951/944S2はコンプレッサーの低圧側バルブを使います。
(高圧側バルブは左ストラットのところにあります)
まれに左ストラットに高低2本の配管があるタイプもあります(1986年車だけ?)。
- 968はコンプレッサーの低圧側バルブを使います。
(高圧側バルブはレシーバータンクのIN側にあります)
968は左前輪タイヤハウスのスタビライザー付近に樹脂製点検ハッチがあるので、そこを外すと低圧側バルブが見えると思います。
- たまたまアンダーカバー外していたのでコンプレッサーの低圧側バルブから補充している画像あります。左が前側です。
エアコンレス
- 日本仕様では924時代からほとんどAC標準装備、968CSも標準装備でした。対して本国などではオプションでした。
- ACが無い場合、当然エアコンコンプレッサーがありません。ですからレース用に外す事も可能です。
- その場合、オルタネーター取り付け部品(944S2等:944.603.134.02)とベルトを交換します。
エアコンコンプレッサーのあった低い位置にオルタネーターが来る感じになります。
- エアコンコンプレッサーの撤去とコンデンサーの撤去により、軽量化と低抵抗化とラジエターの風当たりが良くなります。
- 電装品が少ない968CSなら本国と同じようにオルタを924Sと同じ小型に、バッテリーも容量減らしが可能だと思います。
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